第五話 機械仕掛けのトラブル
 
 篠田 洋平(しのだ ようへい)が、その日、アルバイト先から自宅のアパートへ戻ると、同居人のキツネ娘、沙羅(さら)の姿はなかった。
「この時間帯にいないとは珍しいな・・・」
 つぶやきつつ、視線をテーブルの上に落とす。と、大手スーパーのチラシが目に入った。『地鶏と卵の特売セール!』と書かれた部分に赤ペンでチェックが入っている。
「・・・・・・」
 どうやら、新聞の折り込み広告を見て、買い物に出かけたらしい。
(世界征服を企む妖怪が、特売セールのチェック・・・・・・)
 洋平は何となく理不尽なモノを感じてしばらく悩み、しかし数分後、気を取り直した。
「・・・・・ま、いいか」
 チラシに載っている大手スーパーは隣町にある。沙羅が戻ってくるのは少し遅くなるはずだ。その間に、アダルトビデオを借りて来よう、と思いつく。
 篠田洋平は、行動のマヌケさ加減において、充分、同居人に負けない男だった。
       *
「ふんふん、ふふ〜ん♪」
 一方。金髪碧眼のキツネ娘、沙羅は鼻歌など口ずさみつつ、ご機嫌な様子で夕暮れの町を歩いていた。隣町のスーパーで買い物をした帰り道である。
 目当ての地鶏だけでなく、野菜も安かったので、ちょっと得をした気分。
 小柄な身体で、ネギ、白菜、豆腐、シイタケなどを一杯に詰め込んだ袋をかかえ、シッポを振りながら、トテトテ、と歩く姿は、少しマヌケながらも、それなりに可愛らしかった。
「ちと遅くなってしまったな。洋平のやつ、腹をすかせているだろうか。・・・・・い、いや、まあ、その、別に心配などしてはいないが」
 何だか顔を赤らめ、ごにょごにょと自分に言い訳をした後、少し足を速める。
 しばらくして、アパートに着いた沙羅は、階段を軽い足取りで駆け登った。自宅のドアの前に来ると、手慣れた様子でカギを開け、部屋へ入る。
「ただいま帰ったぞ、洋平♪ 遅くなったが、今夜は鶏肉のスキヤキ・・・・・・・っ」
 言いかけて、硬直する。
 洋平が、アダルトビデオを見ながら、ちょうどズボンを下ろそうとしている光景に出くわしたからだ。洋平は、冷静な表情で振り向くと、沙羅へ手のひらを向けた。
「待て。話し合おう。・・・・・・話せばわかる」
「わかるかぁああああああああっ!」
 沙羅は怒声と共に、白菜を洋平の頭へ投げつけた。
       *
 明けて翌日。
「まぁ、そんなコトがあったの・・・・」
 コスプレ喫茶『はっぴねす』の店長室。部屋の主である店長の阿部(あべ)は、沙羅の愚痴をため息まじりに聞いていた。



 沙羅は怒りの表情で、オネエ言葉の大男に昨日の出来事を説明する。
「うぅっ。洋平めっ! ・・・・・あ、あのように恥知らずなコトを・・・」
「うーん。でもね、沙羅ちゃん。健全な男の子なら、エッチなビデオくらい誰でも見るものよ?」
 阿部は、ゴツい顔に優しい笑みを浮かべながら、沙羅をさとした。しかし沙羅は頭を振り、なおも訴えかける。
「そ、それだけでは無いのだ、店長。・・・・洋平が見ていたビデオの女優は・・・・」
 少し躊躇した後、思い切って告げる。
「わらわより・・・・・・・む、胸が大きかったのだっ」
「・・・・・・あ〜」
 阿部は口を開けてマヌケな声を上げた。しばしの間、重い沈黙が降りる。沙羅は、涙目で大男を見上げた。
「や、やはり男というのは、胸が大きい女の方が良いのだろうか?」
「えーと。・・・それは、ヒトそれぞれだと思うケド・・・少なくとも、洋平ちゃんは巨乳好きよねぇ」
「わらわも、その・・・・けっこう自信があるのだが・・・こ、これでは足りないのだろうか?」
 必死で問いかける沙羅に、阿部は困ったような笑顔を向ける。
「あ〜。いや、どーかしらね〜・・・。」
「ううっ、もっと大きくする方法があれば・・・」
「まあ、気休めみたいなモノならあるケドね。バストアップ・マシンとか」
 阿部の言葉に、沙羅は目を光らせる。
「そんなモノがあるのかっ?」
「んー。でも、ホントに気休めよ? 欲しいならあげるケド・・・・」
「た、頼む! たとえ気休めでも、ないよりマシだ」
 こうして、沙羅は、全自動バストアップマシンを阿部から貰い受けた。
 なぜ彼がそんなモノを持っていたのか、という疑問については、深く考えないことにした。
       *
「うーむ・・・」
 沙羅は、アパートに戻ると、バストアップマシンを眺めながら、腕組みをして考え込んだ。
 機械は、一辺三〇センチくらいの直方体に近い形をしており、蛇腹状のホースでつながった吸盤が、二つ接続されていた。使用説明書を読むと、どうやら、この吸盤を胸に当てて使用するらしい。
「ああは言ったが、やはり気休めでは意味がないし・・・・。この機械に妖力を練り込み、少し強力にしてみるか・・・・」
 そう言うと、彼女は妖力を機械へ注ぎ込み始めた。
       *
 一時間後。充分に妖力を注ぎ終わると、沙羅はマシンのプラグをコンセントに差し込み、メインスイッチを入れた。と、次の瞬間。
 バストアップマシンは、唸りを上げ、なぜか沙羅に襲いかかってきた。
 ヴヴッ・・・・ヴヴヴヴゥゥッ!
「な・・・・・・・っ? ちょっ・・・・・や、やめろっ! ・・・・・ええい、このッ、やめろと言うのに!」
 まるで意志を持っているかのように、ホースが少女の手足にからみつき、体の自由を奪う。吸盤は、胸の双球に張り付くと、強烈な振動を彼女の性感神経に送り込んできた。
 刹那。
 いまだかつて経験したことのない快感が沙羅を襲う。
「ふわぁぁあああああああああッ?」
 乳房の先端が吸い立てられ、震わされる。感度の良すぎる桜色の突起から、稲妻のような喜悦がほとばしる。鮮烈な衝撃に、少女のしなやかな脚が引き吊り、爪先がギュッとたわんだ。
「あぁっ・・・・あぃぃ・・・・ヒィッ・・・・!」
 暴走し、今や淫らな拷問器具と化したバストアップマシンは、機械ならではの精密さと非情さで、少女の肉体を責め立てていく。
 双丘に張り付いた吸盤が、敏感な乳肉を執拗に揉みしだく。
 最初は痛いほどに強く、激しく揉み立て、次いで、ちぎれるほどに引っ張る。時には打擲し、肉をつねり上げ、きつく捻る。
 敏感な乳房への苛烈な攻撃に少女は悶絶し、かすれるような悲鳴を漏らし続けることしかできなかった。命のないモノに翻弄される屈辱と、乳肉から伝わる熱に、我知らず涙がこぼれる。
「ひぅぅっ・・・・ひゃうっ・・・・ヒッぐぅううんんんん・・・・!」
 だが、いじめ抜かれ、恐ろしいほど感度を増した双球へ、今度は一転して羽毛のように繊細な愛撫が襲いかかった。沙羅は突然の変化に対応できず、混乱し、あられもない悲鳴を上げる。
「ひッきゃアぁぁぁあああああああああッ?」
 拷問機械の責めは、無骨な外見からは想像もできないほどに緻密で、計算されたものだった。確実に少女の感じるポイントを突き、最適の力加減で、感度の増した性感帯を刺激してくる。
 快感神経そのものを揉み抜かれているような、とてつもない喜悦。さらに機械の吸盤が、乳房への愛撫を休めることなく、乳輪ごと乳首を吸い立て始める。
 沙羅の背筋を衝撃が貫いた。脳裏に閃光が走り、灼熱の魔悦が神経を焼く。
「うやぁあッ・・・うヤぁぁあああんんんッ!」
 妖狐の少女は頭を左右に振り立てて、砕け散りそうな理性をつなぎ止めようとしている様子だった。快楽に流されかける感情を、必死で否定する。
「ひやぁ・・・・ダメっ・・・・らメぇっ・・・・・こんなッ・・・・こんなァぁああ・・・ッ!」
 妖しい、しかし甘美な誘惑に心が浸食されていく。吸盤の裏側から生えた軟性シリコンの舌が少女の敏感な突起を弾き、プルプルと震わせる。
「んぁぁあああっ! それダメッ、それラめぇええええええええッ!」
 絶叫を上げて悶え、乱れる妖狐の美少女。その乳首に巻き付き、シリコン製の舌は強烈な振動を送り込み始める。沙羅は、被虐の絶頂へ向けて駆け上っていく。
「ふやぁッ! ふみゃァぁあああんッ! 先ッちょヤメてッ、ヤメでぇぇええっ! 先ッちょ弱いのっ、弱ひからぁぁぁああああああああッ!」
 あられもなくよがり泣き、口調が幼児のように舌足らずになっていく。それは、彼女が絶頂に近づいている証しだった。 
「んぁぁっ・・・・イク・・・・イッちゃう・・・・ふぁぁっ・・・もぅ・・・もぅ・・・・」
 悦楽にうるむ瞳から、涙がこぼれる。全身から滝のような汗を流し、少女は頂点へ飛翔する。
「あああああぁぁぁぁああ! イクイクイクッ! 沙羅ッ、おっぱいだけでイッちゃうぅううううううううううッ!
 ビクビクビクッ!
 ビクンッ!
 全身を弓なりに仰け反らせ、沙羅は法悦の極みに達した。
 体中が飛翔感に包まれ、意識が闇に閉ざされていく。だが、拷問機械の駆動音は、まだ止まってはいない。
 そう。まだ少女への陵辱は、終わってはいないのだった。
       *
「うやぁっ、うゃあぁああッ! やめてッ、もうやめてェぇえええッ! イッたのッ、もおイッちゃったからぁあああああああああッ!」
 沙羅は、言葉など理解するはずもない機械へ向けて、絶望的な哀願を続けた。
 暴走を続ける拷問器具は、休むことなく少女の美身へ襲いかかる。
 蛇腹状のホースが、太股に巻き付き、扇情的な開脚姿勢をとらせる。沙羅は羞恥に身を灼き、慌てて脚を閉じようとするが、ホースの力は強く、ビクとも動かない。
 そして、陵辱器具は、その標的を、太股の付け根、秘められた花弁へと向けた。薄紅色の秘貝へ、すさまじい喜悦をもたらす吸盤が、ゆっくりと張り付いていく。
 沙羅は恐怖に息を呑んだ。そして、吸盤から振動が伝わってきた次の瞬間、身も世もなく絶叫した。
「ヒっぎゃあぁあぁぁああああああああぁぁああああッ!!」
 ビクビクビクッ!
 おとがいが跳ね上がり、爪先がたわむ。少女は白目を剥き、快感の衝撃に意識を飛ばされた。
 しかし陵辱者の責めは止まない。吸盤の与える振動はさらに激しさを増し、少女の過敏な肉唇を容赦なく震わせ続ける。
 一瞬を耐えることすらできない人外の快楽に、息も継げない。そんな彼女に、さらなる衝撃が襲いかかった。
 鞘に包まれた、最も敏感な神経を持つ肉芽。それが、度重なる振動によって、少しずつ皮を剥かれ、露出させられてしまったのだ。
 無防備になった淫らな秘芯へ、容赦ない機械の振動が浴びせかけられる。沙羅は白目を剥き、全身をケイレンさせて絶叫を放った。
「あっキャアぁあああああああああッ!」
 眼前が、目映い閃光で白く染まる。あまりの衝撃に、思考が停止し、ガクガクと身体を震わせることしかできない。
「あ・・・・・あぁ・・・ああ・・・・・」
 言葉にならない吐息のような声を発しながら、沙羅は放心し、震え続けた。
 露出させられ、痛いほどに勃起した真珠には、振動がなおも送り込まれ続けている。
 そこへ追い打ちを掛けるかのように、吸盤の内側から生えたシリコン製の舌が、秘芯を直接弾き上げた。
「ヒッぐぅうぅうううんんんんッ!」
 食いしばった歯の間から唾液を振りまきつつ、被虐の少女は絶叫を放つ。涙と鼻水を垂れ流しながら、沙羅は狂乱することしかできない。
 そしてシリコン製の舌は、未開の場所へ、さらなる侵攻を開始した。
 秘貝の奥。蜜壷の中へ、その魔手を伸ばし始めたのである。グネグネとうねる舌は、少女の秘裂へ分け入り、鮮烈な快感を肉壁にもたらす。
 敏感な膣内を、這い回る舌先にこすり上げられる愉悦に、沙羅はただ身悶え、よがり泣いた。はしたない嬌声を上げ、無意識のうちに腰を動かし始める。
「ふわんっ、ふわわわぁぁんん! すごっ、スゴいィぃいいいいい! 溶けちゃうっ、スゴすぎて、もぉっ、腰が蕩ろけちゃうぅうっ! 気持ちいいッ! ぎぼぢいいの! ぎぼぢいいのぉおおおおおおおおおおッ!」
 もはや、少女の瞳に理性の輝きはない。異形の快感に心を掌握され、弄ばれている。沙羅はすさまじい勢いで、絶頂への階段を駆け昇り始めていた。
「うやぁぁああっ! もぉダメッ、イクイクっ、イッちゃうっ、ふわぁ、イッ・・・イッちゃ・・・・・・・・・ぁぇえっ?」
 だが、被虐の魔悦に酔う少女に、望んでいた最後の絶頂感は訪れなかった。
 突然、機械の動きが緩慢になり、今にも止まりそうなほどゆっくりとした動作に切り替わったからだ。
 乳房に張り付いた吸盤の振動は収束を始め、蜜壷に入った異形の張り型は、緩やかにその動きを止めようとしていた。



 秘貝がジンジンとうずき、愛液がしとどに太股を濡らす。淫らな美身は、身を焦がす媚熱に耐えかね、ピクピクと悶え続ける。
 沙羅は、まるで、お預けを食わされた犬のように、切ない表情で哀訴の声を上げた。
「な、何でぇえええええッ? なんで、動いてくれなひのぉおおおおおおおッ?」
 機械の動作が止まりかかけているのは、単純に、注ぎ込まれた妖力が枯渇しようとしているからだ。有り体に言えば、エネルギー切れに過ぎない。
 しかし、快感に我を忘れた沙羅にとっては、悪質なイジメとしか思えなかった。少女は狂乱し、泣き、喚く。もはやプライドもかなぐり捨て、はしたなく愛撫と抽挿をねだり続ける。
「あうぅっっ! お願いッ、お願ひれすぅ! 動いてッ、動ひてくらさいぃ! 掻き回してッ、滅茶苦茶にひてッ! ゴリゴリッて! ゴリゴリッでぇぇえええええ!」
 その時。
 気が遠くなるような快感への切望に、本能が応えたのか。少女の身体は、無意識のうちに機械へわずかな妖力を注ぎ込んだ。
 微量の妖気を吸収した陵辱器具は、しばしの間、再び作動を開始する。
「あ、ああ・・・っ?」
 沙羅は、ようやく、この器具が妖力不足で止まりかけていることに気づいた。
 かすかに残った理性が、今の内に陵辱器具から脱出するべきだ、と囁きかける。沙羅はその声に従い、身体にまとわりつく器具へ手を掛けた。
(は、早く・・・・・・早くこの機械、体から離さないと・・・・く、狂っちゃう・・・こ、この快感から・・・離れられなくなっちゃう・・・・)
 なけなしの理性をかき集め、必死で股間と乳房に張り付く吸盤を外そうとする。
 だが、そこまでが限界だった。
 力を込めて吸盤を掴んだ瞬間、少女の手のひらから微量の妖気を吸収し、拷問器具が、またしても激しい振動を開始したのだ。
 じらされ抜いた淫靡な肉体は、もはやその愉悦に抗えなかった。少女は、随喜の涙と共に、はしたない嬌声を解き放つ。
うっキゃあぁぁぁぁあああああああ! もぉダメッ、もぉらメぇええぇぇええええええええええ! 気持ちいいのッ! ぎぼぢッ、よすぎるのォぉおおおッ! ブルブルってェっ、ブルブルってゆってるぅぅううう! アソコらめッ、乳首らめッ、ラメラメラメぇええええええええッ!
 頭の上でキツネの耳がビクビクと震え、シッポの毛が逆立つ。
 今や少女に、まともな思考力は残されていなかった。自らを犯す陵辱器具に、ありったけの妖力を注ぎ込んでしまう。
 拷問機械は、大量のエネルギーを得て、煙を噴きながら激しく作動を開始する。
「ふわわわわぁあああんんん! ヘンになっちゃう! ヘンになっちゃう! うやぁああああああ! かっ感じすぎて、もぉッ、もぉ狂っちゃうぅううぅぅぅうううッ!」
 舌足らずな口調で、子供のように快感を訴える。頭が混乱し、自分が何を言っているのかさえわからない。吸盤が乳首へ振動を送り込むたびに、背筋を貫く快感がほとばしる。
「んっきゅうぅうんんんッ! どうしよお、どぉしよぉッ、来ちゃう、来ちゃうようッ、スゴいのッ、スゴいのキちゃふぅううううう! オッパイ! おっぱいブルブルって、きゃヒィぃいいっ、ち、チカラが・・・・力が抜けちゃうよぉおおおおお!」
 快感をむさぼるように、勝手に腰が動き出し、膣内が蠕動する。得も言われぬ愉悦が身体の芯を揺るがし、全身の神経を灼熱させる。
 吸盤は変形して先端を尖らせ、後ろの穴に突き入れられる。背徳の愉悦に、一際甘い叫声が上がる。
「イヤぁぁあああああ! 死んじゃうッ! 死んじゃうのぉ! お尻ィっ、おひりの穴、グリグリってしちゃダメぇええええ! おかしくなっちゃうッ、おかヒくなっひゃうからァァぁあああああああああッ!
 少女は狂乱し、腰が抜けるほどの愉悦に我を忘れる。剥き出しになった神経を直接こねら回されているかのような、すさまじい激感。
 沙羅は、止められない絶頂に向けて、一直線に駆け昇り出す。
「ヒィッ・・・・・くヒィっ! もぉダメぇ・・・イッちゃう・・・・イッちゃう・・・あああッ! イク・・・イク・・・イク・・・・・・ッ!
 灼熱の快感は脳裏を焦がし、衝撃の戦慄は視界を白く染める。
 被虐の妖狐は限界を超えた喜悦に魂を打ち砕かれ、そのまま頂点へと打ち上げられた。
「イグイグイグゥゥウウウウ! もぉサラッ、サラぁぁぁあああああ! イッッグゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」
 
 ビクビクビクビクビクビクッ!!  
 
 プッシャアァアアアアアアアアッッ!
 
 少女は全身をケイレンさせ、絶頂を告げる言葉と共に、愛液を吹き上げて極点へ達する。
 同時に起こる、すさまじい閃光と爆発。
 許容量を超える妖力の注入に耐えきれず、バストアップマシンが自爆したのだ。
 
 ドッガァアアアアアアアアッ!
 
 六畳間の部屋に、轟音と衝撃が吹き荒れた。
       *
 その日の夕方。
 アルバイト先から自宅のアパートに帰った洋平は、ボロボロになった部屋と、憔悴した沙羅の姿を見て、呆然とその場に立ち尽くした。
「・・・・一体、何があったんだ・・・・・?」
「うぅ〜・・・・!」
 沙羅は涙目で洋平を睨み、やり場のない怒りを叩きつける。
「ええい、すべて、お主が巨乳好きなのが悪いのだッ! 洋平のバカ! ドンカン! スケベ!」
「・・・・・・・・・・・」
 洋平は、しばらくの間、真剣に悩んでいたが、やがて途方に暮れた様子で、一言つぶやいた。
「・・・・・・・・・意味がわからん」
   
「キツネ日和 第五話 とりあえず・完」