第三話 バイトへ行こう!
 
「ううっ・・・なぜわらわが、このような格好を・・・」
 キツネの妖怪、沙羅(さら)は、自分の姿を見下ろし、屈辱に身を震わせた。
 ひどく短いスカートに、胸を強調するような際どいデザインのエプロン。彼女は今、そんな衣装に身を包んでいた。
「ええい、アルバイトをしろと言うから来てみれば・・・・・」
 ぶつぶつ、と愚痴をこぼす。
 彼女は、家主である篠田 洋平(しのだ ようへい)の口利きで、コスプレ喫茶『はっぴねす』へアルバイトの面接に来ていた。そして来る早々、一目で店長に気に入られ、その場で採用。いきなり制服の寸法あわせをさせられる羽目になったのだった。
 一方、彼女を店に連れてきた張本人の洋平は、着替え終わった沙羅の姿を見て、満足そうにうなづいた。
「うむうむ。似合ってるじゃないか。可愛い可愛い」
「えっ? ・・・そ、そうか?」
 沙羅は、思わずうれしそうな声を上げた後、慌ててゆるんだ頬を引き締め、プイと横を向く。
「く、下らぬコトを言うなっ。大体、なぜわらわが、金など稼がねばならんのだ?」
「働かざる者、食うべからず、だ。ついでに言えば、キミが壊した壁の修理や、キミが汚した畳の張り替えには、けっこう金が掛かった」
 洋平の淡々とした口調に含まれる嫌味に、沙羅は少し鼻白んだ。
「うっ、そ、それにしてもだな。なぜ、その、『コスプレ喫茶』なのだ?」
「その耳とシッポをつけて許される働き口が、他に思いつかなかった」
「・・・・・・」
 沙羅は、ちょっと落ち込み、しゃがみ込んで床に『の』の字を書いた。
 ここだけの話、沙羅は、キツネの妖怪のくせに、化けるのが苦手なのだ。シッポはかろうじて隠せるが、耳を隠すことまではできない。
 と、その時、脳天気な甲高い声が沙羅たちに掛けられた。
「あらあらっ、まあまあっ、やっぱり思った通り、すっごく似合ってるわぁ、沙羅ちゃんってば♪」
 喫茶『はっぴねす』のオーナー兼店長、阿部 幸助(あべ こうすけ)である。彼は、制服姿の沙羅を見て歓声を上げた。
 どうでもいいが、身長二メートル近い筋肉質の中年男が、裏声でオネエ言葉をしゃべるのは、異様な迫力がある。
 沙羅は、何となく猛獣に出会ったような気分で、オカマの大男からロコツに距離をとった。しかし阿部は気にしていない様子で、洋平へ上機嫌の笑顔を向ける。
「ん〜っ、洋平ちゃん、ありがとうっ。こんなステキなコを紹介してくれてっ。むちゅっ」
「はっはっは、大したことじゃないですよ。つーか、気持ち悪いから投げキッスはやめてください」
「もうっ、水くさいわねっ、あたしと洋平ちゃんの仲じゃないっ」
(洋平・・・お主の交遊関係って一体・・・・)
 沙羅は厭世的な気分に浸りながら、洋平と店長のやりとりを生暖かい視線で見守った。
 そんな彼女に、店長が声を掛ける。
「ねえ、沙羅ちゃん。聞いてもいい?」
「ああ・・・何だ?」
「その耳とシッポね。その・・・体から直接、生えているように見えるんだケド・・・」
「うっ・・・そ、それは・・・その・・・」
 うろたえる沙羅を見て、洋平が横からフォローする。
「実は、彼女、キツネの妖怪なんです」
「あっさりバラすなぁああああっ!」
 沙羅は洋平に激しくツッコんだ。一方、オカマの店長は、納得いったように大きくうなづく。
「なるほど。そうだったの」
「おまえもアッサリ信じるなぁああああああっ!」
 沙羅は、連続でツッコミを入れつつ、こんな男が店長で、自分は、この先やっていけるのだろうか、と不安を募らせた。
       *
 それから二週間後。
 二人連れの若い男たちが、コスプレ喫茶『はっぴねす』のドアを開けると、キツネの耳とシッポを付けた、金髪碧眼の美少女が出迎えに現れた。
「うむ。『はっぴねす』へ良く来たな、者ども。楽にするが良い。お主ら、たばこは吸うか?」
 呆然とする男たちが、そろって首を横へ振ると、少女はうなづき、二人を促してフロアへ歩き出した。
「では、禁煙席へ案内する。付いて参れ」
「・・・・・」
 二人の男たちは、顔を見合わせた後、黙ってキツネ耳の美少女に従い、歩き出した。
 
「うーむ・・・・」
 この光景を、厨房からこっそり観察していた洋平は、思わずうめき声を上げた。隣に立つ店長に声を潜めて話しかける。
「俺が紹介しておいて言うのも何ですが・・・・。いいんですか? アレで・・・」
「もちろんよ。すばらしい逸材だわ」
 オカマの大男は、心なしか感動しているようだった。
「あーゆー接客も、演出としてアリだと思うの。実際、沙羅ちゃんを目当てに来るお客様も最近、急増しているしね♪」
「そーゆーもんかなあ・・・」
 洋平は、少し途方に暮れた表情で首を傾げた。
「ところで、店長。沙羅の歩き方がぎこちない気がするんですが、気のせいですかね?」
「ううん。気のせいじゃないわよ。今日はね、洋平ちゃんが沙羅ちゃんの働きぶりを見学に来るって聞いてたから、ちょっとイタズラして、あのコに、バイブ付きのブラとパンティを着けさせちゃったの♪」
「な、何てコトを・・・」
 洋平は、握ったこぶしを震わせた。そして感謝の言葉を告げた。
「ありがとうございますっ(←最低)」
 筋肉質のオカマ店長は、うんうん、とうなづき、微笑んだ。
「洋平ちゃんなら、きっと喜んでくれると思ったわ。はい、これ。バイブのリモコンよ」
 そう言って洋平にリモコンを手渡し、店長はそのまま無責任に姿を消した。
 洋平は、ウェイトレス姿の沙羅を見る。沙羅の長い一日は、こうして始まった。
       *
「ううっ、何だ、この下着は? 妙な違和感があるが・・・本当に他のウェイトレスも、今日は同じモノを着けているのか・・・?(←だまされてます)」
 沙羅は、小声で愚痴りつつ、食事が終わった後の皿を片づけていた。
「大体、なぜ、わらわが給仕などしなければならないのだ。・・・・ええい、こんなマニアックな店、いずれ絶対に火を付けて燃やしてやる・・・・」
 ぶつぶつ。
 物騒な独り言をつぶやき続ける少女の股間に、突然、衝撃が襲いかかった。
 ヴゥウウン!
「ひゃうぅっ?」
 ショーツのクロッチ部分に取り付けられた薄型の高性能ローターが、いきなり振動を開始したのだ。
 沙羅は、甲高い悲鳴を上げ、手に持った皿を危うく取り落としかけた。何が起こったのか理解できないまま、眉を歪め、切なげな吐息を漏らす。
「ひ・・・うぅ・・・! くうぅぅん・・・・・っ?」


 恥裂からほとばしる鮮烈な快感に、脚がガクガクと震え、その場にへたり込みそうになるのを、かろうじてこらえる。
 周りを見回すと、客や、同僚のウェイトレスたちが、少女を怪訝そうな表情で眺めていた。
「・・・・・・!」
 沙羅は、慌てて仕事へ戻る。何事もなかったかのように、厨房へ皿を運び始めるが、その間にも、ローターは、少女の秘唇を振動で責め立て続けた。
(んっ・・・・くふぅっ・・・・。な、何だ・・・コレは・・・・? あ、アソコがぁ・・・・ビリビリしてぇ・・・・へ、変に・・・なっ・・・・!)
 額から汗を垂らしながら、小指を噛み、声が漏れるのを必死で耐える沙羅に、何も知らない厨房の従業員が、のんびりと声を掛ける。
「沙羅ちゃ〜ん。六番テーブルに、ミックスジュースとフルーツパフェ持って行ってくれる?」
「ま、待て・・・今・・・ちょっと・・・あぁっ」
 沙羅は、拒みつつも、反射的にトレイを受け取ってしまい、やむを得ず、フロアへまた足を向ける。(←妙なところ律儀)
 しかし、フロアを歩いている内に、ローターの振動が少しずつ弱まって来たようだった。少し気を取り直した沙羅は、おぼつかない足取りながらも目的のテーブルに到着し、ホッと一息つく。
 しかし、次の瞬間。
「んっきゃぁあっ?」
 沙羅は、ビクビクッ、と背を仰け反らし、再びあられもない悲鳴を上げた。ローターが、突然、今までで最も強く、激しく振動を始めたのである。
(きゅうぅんんっ、ひぁあっ、だ、ダメ・・・・ダメぇ・・・・っ! こ、こんなっ・・・の・・・たっ、耐えられないぃ・・・・っ)
 秘貝から伝わってくる壮烈な愉悦と、好奇の視線を受ける羞恥に、頬が紅潮する。
 外からは見えないが、もはや蜜壷からは愛液があふれ、乳首は硬く勃起してしまっている。
 沙羅は、全身を駆けめぐる快感を必死で押さえ込み、震える脚に力を込めた。理性を総動員してローターの振動に抗う。
 だが、必死で仕事を続けようとする彼女に、再び予想し得ないコトが起こった。
「んっきゅうぅうん!」
 ビクビクビクッ!
 嬌声とともに、全身が引き吊る。今度は、ブラジャーに取り付けられたローターが、強烈なバイブレーションを開始したのだ。
 陰唇をなぶられ続け、全身が過敏なほど敏感になっているところへ、弱点である乳首を集中攻撃されてはたまらない。
 沙羅は、唇を噛みしめ、声が漏れるのをかろうじて防いだ。今、一言でも発すれば、恥ずかしい嬌声が止めどなくあふれてしまうことは間違いなかった。
 バイブレーターという、今まで経験したことのない機械による責めに、少女は抗う術を持たなかった。
(うきゅうぅんんっ、なにコレっ、何コレぇええっ? アソコと乳首が・・・ビリビリッてぇ・・・ビリビリッてするぅぅううっ! イヤぁっ、狂っちゃうッ、気持ちよすぎて狂っちゃうよぅッ!)
 随喜の涙があふれ、スラリとした美脚がカクカクと震える。立っていることもままならず、崩れ落ちるように座り込む。喜悦にあえぐ少女の喉から、ついに、絞り出すような哀訴の言葉が漏れた。
「あ、ああ・・・も・・・ダメ・・・誰か・・・た、助け・・・・・」
 と、その時。一人の男と目が合った。
 洋平である。
 いつから居たのか、洋平は、窓際近くの客席に座っていた。沙羅に向かい、手に持ったバイブのコントローラーを掲げて、ニヤリと笑って見せる。
(こ、こいつか・・・っ!)
 瞬間、沙羅は、直感的に理解した。このイタズラは、洋平の仕業だ。(←まあ正確には店長の仕業なんだけど)
 快楽に敗北しかけていた心は、再び意志を取り戻した。ありったけの怒りを込めて洋平を睨み付ける。
(あ、あとで覚えておけ・・・っ!)
 沙羅は気合いを入れて立ち上がった。
 洋平が意地の悪い笑みを浮かべ続けているが、気にせず仕事へ戻る。洋平が何をしようと、毅然とした態度を示し続けるつもりだった。
       *
 それから数十分後。
 客席に腰掛けた二人連れの女性たちが、メニューを指さして言った。
「じゃ、これを二つ」
「う、うむ。白玉あんみつと水出し緑茶のセットを二つ・・・だな・・・?」
 沙羅は、頬を紅潮させ、ややぎこちない態度で注文をとる。
 恥丘を襲う快美感に、かろうじて耐えている様子だった。しかし、洋平が操るローターの責めは執拗で、悪辣極まりない。少女の忍耐力は、そろそろ限界に近づこうとしていた。
 たとえば、秘貝を弱く刺激され続け、充分にじらされた後、突然、強烈な振動を与えられる。
(ひゃうッ)
 あるいは、一定の間隔でバイブレーションの強弱を切り替え、不定期に乳首を責め立てられる。
(きゅうぅんッ)
 もしくは、ローターを少しずつ弱め、ようやく責めが終わった、と思わせたところで最大の振動を送り込まれる。
(んはぁぁアッ!)
 沙羅は、洋平の操るバイブレーターの動きに翻弄され、なぶられ、もてあそばれた。
 それでも、大声を上げそうになるたびに、どうにか悲鳴を呑み込んでいるため、周囲の人間には、まだ何も気づかれていない。
 しかし、それもいつまで持つだろうか。少女は、敗北の予感に身を震わせた。
 と、その時。突然、洋平が、沙羅に向けて声を掛けた。
「そこのウェイトレスさーん。テーブルに水をこぼしちゃったんだけど、拭いてもらえるかなー?」
「・・・・くっ」
 沙羅は、怒りに歯がみしながらも、律儀に布巾を持って来ると、テーブルの上を丁寧に拭き始める。一方、洋平は素知らぬ風で横を向くと、前屈みになった沙羅の胸の先端へ手を伸ばし、指先でピン、と弾いた。
「ふやぁああっ?」
 思わぬ不意打ちに、沙羅は甘い嬌声を漏らす。
 洋平は、間髪入れず、ショーツのローターを最大出力で起動させた。
 強烈な官能の波が、少女の肢体へ出し抜けに襲いかかる。打ち寄せる快美感に、悲鳴が上がりかけるのを、洋平の手が素早く押さえた。
「んーッ、んーッ、んーッ」
 沙羅は、口をふさがれたまま首を振り、嵐のような激感から逃れようと泣き叫んだ。形の良い乳房が振り乱され、シッポがビクビクとケイレンする。
 しかし洋平は容赦することなく、他の客から死角になるよう、巧妙に乳房を揉みしだく。妖狐の少女は、人前で辱めを受ける羞恥と、それに倍する愉悦に、涙を流す。
(イヤぁあああああッ! おっぱいダメぇッ! オッパイぃぃ、イジメないでぇええっ! そこ感じちゃうッ、感じすぎちゃうのぉおおおッ! んっきゅうぅううんっ、アソコもぉっ、アソコも、ブルブルッてしちゃダメぇええええっ!)
 必死で哀願するが、口がふさがれていて声にならない。そして洋平の責めは、さらに苛烈さを増していく。
 乳首のバイブレーションを最大にし、指先をローターの上へ強く押しつける。増幅された振動は桃色の突起を震わせ、少女を狂乱へと導く。
(ヒッきゃあぁあああッ! 乳首ぃ! 乳首ダメぇ! そこ弱いのォッ! そこ弱いからぁアあああああッ! アソコのブルブルも止めてェぇええッ! ポッチに、ポッチに当たってるゥッ! 溶けちゃうッ、アソコが溶けちゃうよォぉぉおおおおっ!)
 乳首と同時に、敏感な淫核を立て続けに攻撃され、蜜壷から愛液があふれ出てくる。白く濁った粘液は、少女の太股をトロトロと濡らし始める。
 沙羅はその感触に羞恥心を呼び起こされ、一瞬、正気に返った。慌てて洋平に、目で訴えかける。
(洋平! 洋平! このままだと、周りの者にバレるッ! こ、こんなところで、こんなコトをしているのがバレたら・・・は、恥ずかしくて死ぬッ、あうぅっ、し、死んじゃうぅうううッ!)
 沙羅の泣き出しかねない表情を見て、洋平は、わかった、という風にうなづいた。
「よし。早くイキたいのか。そろそろスパートを掛けよう」
(違ぁぁああうううっ! そ、そうじゃないッ! そうじゃないのォぉおおおおおッ!)
 沙羅は激しく首を横に振ったが、洋平は無視し、少女の身体を、一層激しくなぶり始める。
 乳房をグニャグニャと揉み抜き、指先で乳首とローターを弾く。脇腹をくすぐり、耳、鎖骨といった隠された性感帯も余さず陵辱する。
「んーッ、んーッ、んーッ!」
 卒倒しそうな喜悦の連続に、沙羅は白目を剥き、全身を引き吊らせて身悶えた。
(ふわぁ、ふあぁああんんっ! ダメぇっ、イッちゃうっ、イッちゃうからぁああっ!)
 絶頂が、近づいてくる。
(ふああっ、ダメッ、らめぇッ! みんな見てるのにッ! し、仕事中なのにッ! オッパイいじられて、アソコをヘンな道具でイジメられて、もう沙羅、もお、もぉ・・・・ッ!)
 目からは涙を、口からはヨダレを、そして蜜壷からは愛液をしたたらせながら、妖狐の美少女は、被虐の頂点へ昇り詰めた。
(イヤぁあああッ! サラぁッ、もおイッちゃうぅぅぅぅうううううううッ!)
 
 ビクビクビクッ! ビクンッ!
 
 背を仰け反らせ、絶頂に達した沙羅は、崩れ落ちるように膝を折った。
 洋平は、放心状態の彼女を抱え上げ、更衣室に向かう。
 そう。沙羅に降りかかる苦難は、まだ終わってはいないのだった。
       *
「ふわぁっ、ふわわぁぁあああっ! もおイッたのぉ! もぉイッたからぁああっ! 許ひてぇええっ、お願ひッ、許ひてぇええええッ!」
 沙羅は、更衣室で、身も世もなく泣き叫んでいた。座位の姿勢で、背後から剛棒に貫かれながら、懇願の悲鳴を上げ続けている。



 無論、洋平が容赦などするはずもなかった。遠慮も呵責もなく、少女の濡れそぼった陰唇へ、ひねりを加えた激しい抽挿を叩き込んでいく。
 グチュッ、グチュッ、グチュッ!
 蜜壷が、前後左右に掻き回される音が響く。
「ひゃぐぅッ! ひッぐぅうううんんんッ! やめてぇッ、やべでぇええええっ! それェぇえッ、気持ちよすぎるッ! ぎぼぢよすぎるからぁああああっ! うっきゃあぁああんんっ、狂っちゃうよぉ! ぎぼちよすぎで狂っぢゃうよぉおおおおッ!」
 ろれつの回らない舌で、沙羅は子供のように泣きじゃくり、快感を訴え続ける。先刻、絶頂に達したばかりで過敏になっている膣壁は、今や性感神経そのものと化していた。
 首を振り、つま先を引き吊らせて飛翔をこらえようとしても、灼熱する肉体は、絶頂への一本道をまっすぐに駆け上っていってしまう。
「うやぁっ、うやぁあああっ! もうダメっ、もぉラメぇええええっ! スゴひッ、スゴいのぉっ、もぉスゴすぎるのぉおおおおっ! 沙羅、またぁッ、またイッちゃうんだからぁああああっ!
 叫声と共に、全身が反り返る。
 ビクビクッ! ビクンッ!
「ヒャッぐぅううううんんんんんんッ! イクぅッ! イクイクイクぅッ! イッちゃうぅうううううううううううッ!」
 全身から滝のような汗を流し、口元からは止めどなくヨダレを滴らせながら頂点へ打ち上げられた少女の美身は、しかし、いまだ中空にあった。
「うやァあぁあああっ? 何でッ? 何でェええええええええっ? イッてるのっ! イッちゃってるのにィぃいいいッ! またぁッ、またイッちゃうのぉぉおっ! 降りられないッ! 降りられなひよォぉおおおおおおっ!」
 イキっぱなしになった妖狐の美少女は、狂乱の仲で泣きわめきながら、連続絶頂へと突入する。
 回転するような動きで子宮を突き上げられ、膣壁を擦られる。すさまじい喜悦と快感が、心を溶かしていく。
「んぁああああッ! またイグッ、またイグぅぅうううううッ!」
 ビクビクッ!
 体中が引き吊り、つま先がたわむ。絶頂へ突き上げられるたびに、神経が打ち砕かれるかのような快感が全身に走る。
「くヒイぃいいいいいっ! 死ぬっ、死んじゃうっ、死んじゃうぅうううううううッ!」
 ビクビクビクッ!
 秘芯を剥かれ、指先でこすり上げられて、またもや頂点に打ち上げられる。妖狐の少女は身も世もなく悶え狂い、最後の絶頂へと突き上げられていく。
「あ・・・・ああ・・・・も・・・・もぉ・・・・沙羅・・・サラぁ・・・・・」
 白目を剥き、舌を突き出し、ヨダレと鼻水を垂れ流しながら、少女は、最期の力を振り絞って、絶頂を音高く告げた。
「イグイグイグイグイグぅぅうううううううううッ! サラっ、またイッグうぅうううううううううううッ!」
 
 ビクビクビクビクビクッ! ビクンッ!
 
 プッシャアァアアアアーーーーーーーッ!!
 
 全身がケイレンし、次いで体中が弛緩する。妖狐の美少女は、盛大に愛液と小水を振りまきながら、灼熱の世界へと翔け昇り、そして、そのまま失神した。
       *
「うーむ」
 洋平は、更衣室の床にできた小水の染みをモップで拭き取りながら、小さくため息を吐いた。
「前回と同じオチなのに、今回は俺が掃除をするのか・・・」
「うふ、ガンバってね、洋平ちゃん。あたしも手伝うからっ♪」
 オネエ言葉の大男、阿部店長が、洋平の隣で同じくモップを使い、掃除をしながら、洋平に微笑みかける。
「・・・・・・」
 洋平は、天井を見つめ、再び小さくため息を吐いた。
 
 一方、部屋の隅で、ぶすっとした顔をしながら、沙羅は一人、つぶやく。
「・・・・今回、わらわは悪くない」
 もっともな言い分だった。
 
「キツネ日和・第三話 とりあえず・完」