第二話 キツネの料理に気を付けて
 
「ふん、ふん、ふん♪ ふふ〜ん」
 今日は、朝から快晴だった。
 一人暮らしの大学生、篠田 洋平(しのだ ようへい)のアパートに居候中のキツネ妖怪、沙羅(さら)は、ご機嫌な様子で、鼻歌など口ずさみつつ、部屋に掃除機を掛けていた。
 外では、洗濯機が回る音が聞こえる。今日は天気が良いので、たまっていた洗濯物を全て片づけるつもりだった。
 洗濯機が回り終える三十分くらいの間に、部屋の掃除を終える。適度に手を抜き、短時間で見栄え良く部屋を清潔に保つ。なかなかの手際だ。
 洗濯機が止まると中から洗濯物を取り出し、沙羅はベランダに出て服を干し始めた。この部屋は二階にあるため、晴れた日は洗濯物が良く乾く。
「うむ、やはり天気の良い日は気分が良いな♪」
 沙羅は満足げにうなづく。頭の上に生えたキツネの耳がピコピコと揺れ、腰から生えたシッポがフリフリと楽しげに動いた。
 さて、午前中に洗濯が済み、トイレと風呂の掃除まで終わると、洋平が大学から帰ってくる夕食時まで、午後はするコトがほとんどなくなってしまう。
 沙羅は、つまらなそうな様子で、床に置かれたクッションに腰掛け、テレビを見るともなく眺めながら、今夜の晩ご飯は何にしよう・・・・・などと、ぼんやり思いを巡らせた。
 ・・・・が。
「何をやっとるんだ、わらわはぁあああああっ!!」
 沙羅は、唐突に立ち上がって絶叫した。
「冷静に考えたら、わらわの目的は世界征服ではないかっ! なぜこんなところで『らぶらぶ♪新婚生活』みたいなコトやっとるのだっ?」
 正味の話、彼女には世界征服よりそっちの方が似合っている気もしたが、妖狐としてのプライドが、そーゆーヌルい考え方を真っ向から否定するようだった。
「ええい、とりあえず世界征服はさておき、洋平をぎゃふんと(←三百年も封印されていたので表現が古い)言わせなければ気が済まん! ぬう、どうしてくれようか・・・」
 沙羅は、正直あまり悪事には向いていないと思われる頭脳をフル回転させ、居候開始から三週間目にしてようやく、洋平への報復手段を考え始めたのだった。(←遅すぎます)
       *
「ただいまー」
 夕方頃、洋平が、のんきな様子で大学から帰って来た。
「遅かったな、待ちわびたぞっ。今日は洋平の好きなハンバーグに、肉ジャガだ! 手を洗って、早く食卓に付くが良いっ♪」
 沙羅は、上機嫌で洋平を出迎えた。洋平は、少し首をかしげる。
「どーしたんだ。愛想いいな。何か良いことでもあったのか?」
「な、何もないぞっ。それより早く食卓に付け」
 沙羅は、慌てながら、洋平をテーブルに差し招いた。テーブルの上には、二人分のハンバーグと、肉ジャガ、みそ汁、ご飯などが、暖かそうな湯気を立てている。
「ん〜、何だ、今日の料理は特別なのか?」
 洋平の何気ない一言に、沙羅は、ぎくっ、と身体を強張らせた。洋平は、片眉を上げ、逆立った沙羅のシッポを見つめる。



「・・・・・」
「な、何を疑っている? わ、わらわが、料理に一服盛ったとでも言うのかっ?」
「いや、別に・・・」
 洋平は、あいまいに言葉を濁し、食卓に付いた。と、何気なく台所の方へ目をやる。
「なあ、ガスの元栓を閉め忘れてないか?」
「む。そ、そうか?」
 沙羅は、洋平に背を向け、慌ててガス台を見に行った。元栓が閉まっていることを確認し、また戻ってくる。
「ちゃんと閉まっていたぞ」
「あー、そうか。すまん」
 洋平は軽く手を挙げて謝罪した。それからお互いの皿を指さし、何事もなかったかのように言う。
「さ、食事にしようか」
       *
 それから三十分後。
 二人が料理を食べ終えたところで、沙羅は立ち上がって高笑いを始めた。
「ふはははははっ! バカめ! これでお主も終わりだな、洋平! 気づかなかっただろうが、お主の食べた料理には、特製の秘薬が入っていたのだ!」
「・・・ほ〜」
 洋平は、けっこう冷静な表情で、沙羅を見た。
「で、どんな効果があるんだ?」
「くふふ・・・・。教えてやろう。この薬を口にした者は、暗示にかかりやすくなり、言われたことを何でも信じるようになってしまうのだっ!」
「ほほ〜。つまり相手に思い通りの幻覚を見せられるワケか・・・」
 感心したようにうなづく洋平に、勝ち誇った様子で、沙羅は言葉を続ける。
「その通り! さあ、まずは、死ぬほど怯えさせてやろう。ここは深い森の中。わらわは、人食い虎だ! 喰われたくなければ、泣いて許しを請うが良いッ!」
「・・・・で?」
 無表情なままで洋平は言った。あまり恐怖に怯えている様子ではなかった。沙羅は硬直してその場に立ち尽くす。
 気まずい沈黙が降りた。
「・・・・・き、効いてない、のか?」
「効いてないんだ」
 洋平は、深くうなづいた。沙羅は、半泣きで怒鳴り声を上げる。
「うわぁあ〜んっ! 卑怯者ぉおおおお! なぜ薬が効かないのだぁぁああっ!」
「いや、ヒトに幻覚剤とか盛っておいて『卑怯者』とか言うな」
 洋平は冷静にツッコミを入れ、それから彼女に、恐ろしく優しげな微笑みを向けた。
「さて、沙羅くん? イタズラ好きなキツネっ娘には、お仕置きが必要だと思わないかね・・・?」
       *
「はわわわわっ! ま、待て! は、話し合おう、話し合おうではないかっ!」
 沙羅は、怯えながら後ずさった。しかし、洋平はものスゴい無表情で、手に持った竹筒から『クダギツネ』を召還する。
 クダギツネは、細長いヘビのような胴体をスルスルッ、と伸ばし、沙羅の肢体へ巻き付いた。さらに、服の中へ頭を潜り込ませ、胸の頂点に息づく桃色の突起を口に含み、なめ、吸い立て始める。
「ふわぁぁんっ! ダ、ダメぇええっ、ち、乳首ばっかりくすぐるなぁああああっ!」
 沙羅は、双丘の先端からほとばしる快感に、あられもない悲鳴を上げた。元々、沙羅の身体は敏感過ぎるほどに敏感だが、とりわけ乳首は最も弱い急所の一つなのだ。
「はぁ・・・はぁ・・・ふっ・・・ふわぁあっ・・・」
 ビクビクと震え、すすり泣く少女に、しかし洋平は一片の慈悲も与えない。
「さて、今日は、ちょっと趣向を変えて、外でお仕置きをしよう」
「・・・・なっ?」
 沙羅は、洋平の一言に顔色を変えた。
「ま、待て! ば、バカな真似はやめろっ! そ、そのようなコトをすれば、お、お主もタダでは済ま・・・・・」
「いや〜。俺、近所の評判なんて、別に気にしないし」
 洋平はお気楽な調子で、ヘラヘラと笑った。沙羅の顔から、血の気が引く。往来で、身悶える自分の姿と、それを嘲笑する人々の姿を想像したとたん、羞恥と怒りで頭に血が昇る。
「ふ、ふざけるなぁっ! そ、そのようなコトは、絶対に許さ・・・・きゅうぅうんっ?
 抗議の声は、途中で甘い嬌声に変わった。洋平が、少女の乳首を、指先で軽く弾いたのだ。
「ふ・・・ふわぁああ・・・っ」
 体中から力が抜け、放心したスキに、洋平は手のひらで沙羅を目隠しした。そのまま小柄な身体を抱え上げる。
「さて、お嬢さん。それじゃ、屋外プレイといきましょーか」
「や、やめろっ! か、考え直せ洋平っ」
「はっはっは。もう遅い・・・・ほら、外だぞー」
 洋平がそう言って目隠しを取った途端、沙羅の目に、街の風景が飛び込んできた。
 アパート前の道路。しかし、幸い、人通りはない。
 沙羅はいくぶんホッとして、洋平に怒鳴り声を上げた。
「ええい、早く部屋へ戻れッ、人が来たらどうするっ」
「うむ、それも一興」
 洋平は、もっともらしくうなづくと、沙羅を抱えたまま、竹筒を片手に持ち、再びクダギツネを操り始めた。沙羅の敏感な肢体を、体中に巻き付いたクダギツネが、絶妙のタイミングで愛撫し始める。
 沙羅は、またしても強制的に与えられる愉悦に、体を支配され始めた。
「ふ・・・ふわぁああ・・・や、やめ・・・やめろ・・・・こ、このような所・・・ひ、人に見られたらぁ・・・・んぁあああっ!」
 必死で快感をこらえる沙羅の姿に、満足そうな表情を浮かべ、洋平は、続けてクダギツネへ指令を出す。
「よし、クダギツネ。次は服を破れ」
 クダギツネは、忠実に主の言葉を実行する。鎌首をもたげ、沙羅のエプロンやスカートを、その鋭い歯で引き裂き始めた。沙羅の喉から、かすれるような悲鳴が上がる。
「ひぃいいっ? ま、待てッ、待てぇぇえええええええっ!」
 沙羅は羞恥に首を振り回し、何とか拘束を外そうとあがく。しかし、クダギツネによって締め付けられた手足はビクとも動かず、少女は、瞬く間に下着姿になってしまう。
「あ・・・あううっ・・・も、もう十分辱めただろう・・・は、早く部屋へ・・・こ、これ以上は、もう・・・・・・」
 羞恥にすすり泣く沙羅へ、洋平は空々しい笑顔を向ける。
「はっはっは。何を言っているんだ、沙羅。ここからが本番じゃないか」
 その刹那、クダギツネは、沙羅のブラジャーに噛みつくと、ストラップごと一気に引きちぎった。桃色の突起が露わとなり、少女の口から、絶望の叫びが漏れる。
「イヤぁぁああああああああっ!」
「ほーら、色んな人たちに見られちゃってるぞお」
 洋平は、追い打ちをかけるように周囲を指さした。
 沙羅が涙にうるむ瞳で辺りを見回すと、いつの間に現れたのか、会社帰りのサラリーマンや、学校帰りの女学生などが、遠巻きにこちらを見ているのが目に入ってきた。
「うやぁあああああっ! 見るなッ、見るなぁあああああっ!」
 羞恥心が爆発し、沙羅は絶叫を上げる。だが洋平は涼しい顔で、沙羅への責めを再開した。
 乳首をつまみ、指の腹で転がす。首筋に舌を這わせ、耳元に息を吹き込む。優しい愛撫は、沙羅の羞恥心を、よけいに煽った。どんな小さな刺激にも反応し、快感に仰け反ってしまう。
「んぁあああっ、ダメッ、ダメぇっ! 感じさせちゃダメぇっ、き、気持ちよくするなぁぁあああっ! みんな見てるっ! ヒトが・・・ヒトが見てるからぁあああああっ!」
 泣き叫ぶ沙羅に、しかし、さらなる恥辱が襲う。クダギツネが、秘所を隠す唯一の布地、ショーツに牙を掛けたのだ。沙羅は羞恥に身をよじり、絶叫した。
「ダメぇええっ! それッ、ホントにダメぇええええっ! 死んじゃうッ、恥ずかしくて死んじゃうからぁああああっ!」
 しかし、洋平とクダギツネは容赦することなく、最後の薄布を、一息に引き裂く。その寸前、沙羅は渾身の力を込めて、両脚を閉じ合わせた。
 それを見て、洋平は意地の悪い笑みを浮かべる。少女の太股に手を掛けると、今度はゆっくり、強引に開脚させ始めた。
「ふっふっふ。さ〜て、ご開帳といきますかね・・・」
「ふぁああ・・・・や・・・やめてぇ・・・・も・・・やめてぇ・・・・・・」
 沙羅は、哀訴の声を漏らしながら、すすり泣く。周囲の人々から向けられる視線が、彼女の矜持を削り取っていく。
 脚の力を抜くわけにはいかなかった。妖狐の少女は、歯を食いしばり、必死の抵抗を続ける。しかし。
ひゃうぅぅうううっ?
 クダギツネが突然、沙羅の弱点、乳首に吸い付いた。不意打ちのような鋭い喜悦に、思わず脚の力が抜ける。そして、次の瞬間、ついに沙羅の全ては、さらけ出された。妖狐の美少女は、絶望の叫びを上げる。
「ひっきゃあぁぁああああっ! ダメっ、らめぇえええええっ! 見ちゃダメッ! お願いッ、見ないでっ、見ないでぇええええ!」
「まあまあ、良いじゃないか。減るもんじゃなし」
 洋平は沙羅を抱え上げ、小さな子供に小便をさせるときのような格好を強制する。周囲の人々は、遠巻きに眺めながら、沙羅を指さし、ひそひそとささやき合っている。
 沙羅は、泣き叫び、首を激しく左右に振って抵抗した。
「ダメぇぇええええっ! 許してぇぇえええっ! この格好、恥ずかしいのッ! 恥ずかしくて死んじゃうのぉぉおおおおっ!」
「とか言いつつ、けっこう昂奮してるんじゃないか?」
「なっ」
 洋平の言葉に、沙羅は動揺する。自分でも気づかなかった、気づきたくなかった被虐の愉悦。それを、慌てて否定する。
「ばっ・・・バカぁあああ! そ、そんなワケないっ! こ、こんなの・・・き、気持ちいいワケ・・・」
「じゃ、確かめてみるか」
 洋平は、背面座位の姿勢のまま、肉棒を秘貝へゆっくりと挿入する。沙羅は、膣壁を擦り上げられる悦楽に、甲高い悲鳴を上げ、つま先をケイレンさせた。
「ヒゃッぐぅうううううううんんんんんっ!」
 見知らぬ人間の視線にさらされ、神経が過敏になっている時に、最もうずいている場所を掻き回されてはたまらなかった。沙羅は、白目を剥き、口から舌を出して、壮絶な喜悦に狂乱する。
「ヒァあぁあああああああッ! ダメッ、ダメダメダメダメぇッ、入れちゃダメッ、こすっちゃ、らメぇえええええ! それスゴいッ、すごいのぉぉおおっ! イヤぁああッ、気持ち良すぎちゃうのぉぉおおおおッ!」
「気持ち良いなら、良いじゃないか」
 洋平は、剛棒で蜜壷を突き上げながら、揃えた指で乳首をプルプルプルッ、と弾き上げる。おとがいがビクンッ、と跳ね上がり、随喜と、悔恨の涙がこぼれる。
「ふやぁぁああっ! イヤなのぅ! 気持ちよすぎてッ、ヘンになっちゃうッ! 掻き回されててぇっ、グチュグチュッてなってェ! こんな、こんなッ、ヘンになっちゃってるトコ、見られるのヤなのぉおおおおおおッ!」
「妖怪でも、恥ずかしいもんか?」
「恥ずかしいッ、恥ずかしいよぉおおおおッ! おっぱいも、アソコも、全部見られちゃってるのぉおおッ! もぉやめてぇッ! 許して、許ひてぇぇえええッ! ダメらってばッ、ラメらってばぁああああああっ!」
 快感と羞恥に、ろれつの回らない口調で、沙羅は哀願を続ける。しかし洋平は、調子に乗ってさらに激しく責め立て始める。
「あーっ、あーっ、あーっ!」
 形の良い胸をグニャグニャと揉み抜き、たわむ乳輪に、指先で鋭い刺激を与える。痛いほどに尖りきった乳首にはギリギリまで触れず、じらし抜いた後、突然、絶妙のタイミングで弾き上げる。
 敏感な蜜壷を掻き回されながら、弱点の突起をこれほど執拗に攻撃されては、沙羅に抵抗などできるはずもなかった。
 顔中を喜悦にゆがませ、滝のような汗を流し、凄まじい勢いで絶頂へと駆け上っていく。
「ふヤぁぁああっ、ダメダメダメッ! イッちゃう、イッちゃうのぉぉおお! こんなのイヤぁぁあああっ! しッ、死んじゃうぅううッ! 恥ずかしくて、沙羅、もぉ死んじゃうのぉおおおおおっっ!」
「何を今さら・・・キミのイクところなんて、しょっちゅう見てるじゃないか」
 あきれたように言う洋平に、沙羅は、狂乱気味の哀訴を漏らす。
「ち、違ッ、ちがぁあああああッ! 他のヒトが見てるッ、見てるからぁッ! 洋平以外のヒトに見られるの、イヤぁッ! 見られたくないの! 洋平じゃないヒトに、見られたくなひのぉおおおおおおッ!」
「むっ? ・・・そうだったのか・・・」
 洋平は、沙羅の健気な言葉に一瞬、真摯な表情をした。でも、別に責めを緩めたりはしなかった。
「大丈夫。人前でイッちゃうのも、いい経験になるさ。(←鬼畜)」
「イヤぁぁぁあああああああああああっっ!」
 絶叫する沙羅にかまわず、洋平はスパートを掛け始めた。腰の突き上げを激しくすると同時に、クダギツネの胴体を振動させ、沙羅の全身に愉悦を送り込む。
 そして、今まで意図的に触れなかった肉芽へ、指先の微妙な刺激を連続的に与え続ける。凄まじい喜悦に、沙羅は美身をガクガクと震わせながら、嵐のような絶頂へ巻き込まれていく。



ひッぎいイィぃいいいいいいいっ! ダメぇええええっ! 感じすぎちゃうッ、感じすぎちゃうからぁあああっ! お豆ダメぇぇええッ、お豆コリコリしちゃ、ラメらってばぁああああッ! ふぁあッ、溶けちゃうッ、溶けちゃふよォおおおおッ!
「じゃ、最後は、ここで行こうか」
 洋平は、少女の肛門へ、人差し指を突き入れ、グリッ、とカギ型に曲げた指をひねった。沙羅は限界を超えた喜悦に目を見開き、咆吼のような叫びを上げる。
「ヒッッぎャぁああああああああァアあああああっ!」
 目の前で閃光が走り、快感が全身を駆けめぐる。妖狐の少女は絶頂に跳ね上げられ、涙とヨダレを撒き散らしながら、あられもない嬌声を絞り出す。
「狂うッ、狂っちゃううゥぅううう! キュぁああああんんん! 沙羅イクッ、沙羅イクッ、イクイクッ、イッちゃあああああああああああああああぁああああッッ!!」
 ビクビクビクッ! ビクンッ!
 全身をケイレンさせ、すさまじい喜悦の豪雷に心を打ち砕かれた妖狐の少女は、しかし、自分が快楽責めから逃れた訳ではないということを、すぐに思い知ることとなった。
 彼女の膣内で、未だ硬直を保ったままの肉剣が、再び律動を始めたのだ。
 沙羅は、気が狂いかねない悦楽の再開に恐怖し、絶望の声を上げる。
「うヤァぁああああああああッ! もぉダメぇえええっ! もうイカせないでぇぇええええッ! 死んじゃうッ、気持ちよずぎて死んじゃうからぁああああっ!」
 しかし、洋平は全く容赦することなく、沙羅の肢体に、快感を刻み込んでいく。沙羅は、剥き出しにされた神経を削られるような愉悦に翻弄され、嬌声を上げ続けることしかできない。
「ふわっ、ふわわぁッ、気持ちいいッ、ぎぼちいいよぉッ! もぉっ、感じッ、すぎぢゃっでぇぇえ、体中からぁあ・・・・・チカラ・・・抜けちゃうのぉおおおおっ!」
 沙羅は、随喜の涙を流しながら、快感を訴える。
「きゅうぅううんんんっ! もッ、それ以上されたらぁあああッ! おしっこ漏れちゃうッ! おしっこがモレちゃうんだからぁああああッッ!」
「何ッ?」
 今まで動じなかった洋平が、なぜか慌てた声を出した。
「ちょっと待て! ここではマズいっ!」
「ヤぁああっ! もぉダメッ! もおガマンできないのぉおおおっ! おっぱいスゴいッ、アソコすごいっ、お尻もおマメもスゴひぃいいいいっ! ヘンになっちゃうッ、ヘンになっちゃうぅぅッ! なんか来るの! どっかイッちゃう! イクッ、イグッ、イグイグイグイグぅぅうッ!
 そして、少女は、怒濤のような喜悦に呑み込まれる。
「ひっキャあぁぁああああァあッ! サラっ、人前で、おしっこ漏らしながらぁッ、漏らしながら、イッちゃうぅぅぅううううううううううううううううッッ!!」
 
 ビクビクビクビクビクビクッッ!
 
 プッシャアァァアアアアアアアアッ!!

 壮絶な羞恥と快感の連続に、沙羅は小水と愛液を盛大に撒き散らして最大の絶頂を迎えた。目の前が白熱し、被虐の悦楽が頭の中で炸裂する。白目を剥き、ヨダレと鼻水を垂れ流した妖狐の美少女は、深い眠りの中へと堕ちていった。
       *
「・・・・ふあ? こ、ここは・・・」
 沙羅が目を覚ますと、そこはアパートの部屋の中だった。彼女の横で、洋平が生暖かい笑みを浮かべ、たたずんでいる。沙羅は、激昂して洋平に詰め寄った。
「きききっ、貴様ぁ! よ、よよよ、よくもわらわを人前で辱めたなっ」
「いや、安心しろ」
 洋平は、手を挙げて沙羅を制した。
「キミは、一歩も外へは出ていないから」
「な、何だと?」
 怪訝な顔をする沙羅に、洋平は簡単に説明する。
 先刻、出された料理に疑念を感じた洋平は、沙羅にガスの元栓を確認に行かせている間に、彼女と自分の料理を入れ替えたのだ。
 その結果、沙羅は知らずに幻覚剤を飲まされ、屋外に居るという幻覚をずっと見せられていたのである。
「うう〜っ」
 沙羅は、半泣きで洋平を睨み付けた。文句を言いたいところだが、そもそも料理に薬を盛ったのは彼女自身なので、あまり強くも言えない。
 そんな彼女に、洋平は黙ってゾウキンを差し出した。沙羅は、首を傾げる。
「何だ、これは?」
「自分のやったコトは、自分で始末しよう」
 洋平は、床を指さしながら、そう言った。床には、沙羅の漏らした小水が、大きな染みを作っていた。
       *
「うっ、うっ、うっ」
 沙羅は泣きながら、畳に染み込んだ小水をゾウキンで拭き取り続けた。彼女は、洋平に新たな復讐を誓う。でも、もう幻覚剤はやめておこう、そう思った。
 
 
「キツネ日和 第二話 とりあえず・完」