第二章 茜(あかね)の受難
 
『あああっ! 果てるっ、また果てちゃうっ! らメぇっ、果てるのが止まらないいぃいいっ!』
 カラクリ城の最上階、大広間。
 そこには、奇妙な光景が広がっていた。
 壁に設置された巨大なスクリーンに、映写機から放たれる光が画像を結び、茜の姿を大画面で映し出していたのである。スクリーンの両端に置かれたメガホン型のスピーカーからは、同じく茜の絶叫が絶え間なく聞こえてくる。
 これは、反射鏡やレンズ、伝声管の組み合わせにより、女がカラクリに陵辱される光景を最上階に居ながらにして、しかも大画像で観察できるという、カラクリ城最大の仕掛けである。(←たかが覗きにそこまでしなくても)
 城主を始めとする城内ほぼ全員の男たちは、広間にズラリと並び、スクリーンに映る美少女の痴態を、息を呑んで鑑賞していた。
『ああぁあああああああっきゃああああああああああ!!』
 茜が絶頂に達し、失神してしまうと、筆頭家老の三太夫(さんだゆう)が、感無量、といった様子でため息を吐いた。
「いや〜。・・・・・すばらしいですな、コレは」
「いやはや、正に眼福」
 勘定頭の清十郎(せいじゅうろう)も、感激の面もちでうなづいている。
 城主の股下三寸守助成(またしたさんすんのかみすけなり)も、カラクリ城の設計者、カラクリ珍元斎(ちんげんさい)の手を握り、感謝の言葉を繰り返した。
「うむうむ。すばらしいぞ、珍元斎。正にそこもとは天才じゃ!」
「お、お褒めにあずかり恐悦至極・・・・っ」
 珍元斎も、感涙にむせび泣いているようだった。
「この珍元斎、自分の造ったカラクリを、ここまで喜んでもらえたのは初めてでござる! 今までどんなカラクリを造っても変態呼ばわりされ・・・・(←そりゃそーだろう)」
「さあ珍元斎、涙を拭くがよい。そして共に、くノ一たちの痴態の続きを、鑑賞しようではないか・・・」
 助成は優しく微笑むと、スクリーンを指さした。珍元斎も、感動の面もちでそちらへ目をやる。この二人の間には、変態同士にしかわからない信頼関係が構築されつつあった。(←やな信頼関係)
「・・・・・・・・・・・・」
 この、一連の脳天気な光景を見て、苦労性の側用人、宗吉(むねよし)は、コメカミに手を当てて一人つぶやいた。
「頭痛が・・・・」
       *
 さて、最上階で、そんな会話が交わされていた頃。
 二人の女忍者、茜(あかね)と静香(しずか)は、カラクリ城の二階に到着していた。
「ううっ、殺すっ! あのバカ殿、絶対に殺してやるんだからあ〜〜っ!」
 茜は、カラクリに絶頂を極めさせられた悔しさに歯がみしていた。ちなみに今の格好は、破れた布で胸と腰回りをかろうじて隠しているだけ、というきわどい姿だ。
 本当は、自分を踏み台にして天井へ避難した静香にも色々と言いたいことはあるのだが、助けてもらった手前、それは口に出せず、自然と怒りはカラクリ城のバカ殿に向かうのだった。
 静香はそんなことに気づいていないかのように、いつもの無表情で入り口の扉へ手を掛ける。
 扉を開くと、廊下のように細長い奇妙な部屋が広がっていた。
 床一面が、毛足の長い絨毯になっている。天井は低く、軽くジャンプすれば手が届きそうだ。なぜか、天井には、いくつもの取っ手が付いていた。
 ・・・・・・怪しすぎる。
 間違いなく、部屋自体に何か罠が張られている。静香は警戒して足を踏み入れるのをためらった。が、茜は迷わず踏み込む。
「行くわよ、静香! こんな部屋さっさと通過して、あのバカ殿をぶっ飛ばすんだからっ!」
「茜・・・・」
 あの子、学習能力が無いのかしら・・・。静香はそんなことを考えつつも、黙って茜を見送った。また彼女を先行させて様子を見るつもりらしい。
 先走り屋と策謀家。ある意味、いいコンビであろう。
       *
 さて、茜が絨毯を踏んで部屋の半ばに到達した時。
 突然、絨毯の毛先が小刻みに蠢き、彼女の足の裏をくすぐり始めた。
「ひぅぅううっ?」
 茜は、思わぬ刺激に身悶える。一階でワラジを脱がされていたため、繊毛の震える振動をもろに感じてしまう。
 ザワザワザワザワッ
「あははははははっ! ひゃうぅぅうっ! ば、バカぁぁああっ! あぁあっははははははははははっ! ダメダメダメ! ダメぇっ! 足の裏は・・・よわっ、弱いのにぃぃいいいいいっ!」
 たまらず、茜は床を蹴り、天井へ逃れた。そう高くない天井なので、容易に手が届く。しかも、掴まりやすいように、いくつもの取っ手が付いている。
 明らかに、侵入者を天井へぶら下がらせるための罠だと思われたが、今の茜にそんなことを気にしている余裕は無かった。とりあえず、くすぐりから逃れられたことに安心し、ほっと息を付く。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
 茜は、部屋の出口を見据えた。また床に降りれば、くすぐられることは目に見えている。このまま取っ手をつたって、天井にぶら下がったまま出口へ向かうしかないだろう。
 くノ一である茜にとって、それは何でもないことのように思えた。が。
「ひゃぅうううっ?」
 前方へ手を伸ばし始めた途端、茜の口から甲高い悲鳴が上がった。
 壁にあいた小さな穴から、茜の身体に鋭い水流が放たれたのである。茜は、背筋を走り抜けた鋭い喜悦に、危うく取っ手から手を離しかける。
「な、何よ、これっ? ・・・ひゃうんっ?」
 壁をよく見ると、小さな穴が無数にあいていた。そこから、水鉄砲のように細い水流が、彼女の体へ次々に放たれているのである。しかも驚くべきことに、性感帯ばかりをねらって打ち出されている。
「はぅっ! ひきゅぅううんっ!」
 断続的に噴出する水流が、正確に茜の乳首を、何度も、何度も叩く。双丘の頂上からほとばしる凄まじい喜悦に、腰がガクガクと震える。
「ば、バカぁあっ! もうっ、や、やめっ! ・・・・・・きゅうぅんっ?」
 思わぬ角度から無数の水撃が、脇腹を、膝の裏を、隠れた性感帯を刺激する。苛烈な陶酔感が、少女の理性を溶かしていく。
「ふわあっ? ふっ、わわぁんっ! も、もうダメッ、そんな所ダメぇぇえええっ!」
 次々と撃ち出される淫悦の魔弾は、脇の下を刺激し、足の裏をくすぐり、背筋を撃ち抜く。とてつもない快美感に、少女は身悶え、泣き喚く。
「おっぱいダメッ! お尻ダメッ! 背中ダメぇっ! んきゅぅうううんっ! おへそもダメぇぇえええええっ!」
 水撃は、茜の上半身から下半身に至るまで、ありとあらゆる弱点に撃ち込まれた。全身を喜悦に震わせ、身悶え、茜は我知らず哀訴のつぶやきを漏らす。



「うぁああっ・・・・ふわわぁぁあっ・・・・ダメぇ・・・・もぉ・・・・許ひてぇぇえ・・・・・・!」
 茜は、舌を突き出し、随喜の涙を垂らしながら、喘ぎ続ける。もはや天井にぶら下がるばかりで、前方へも進めない。いや、前に進むどころか、腕から力が抜け、今にも床に落ちてしまいかねない。
 乳首は勃起し、股間からは愛液が染み出し始めてしまう。
(あぁぁ・・・う・・・ウソ・・・・な、何でぇ? こんなコトくらいで・・・こんなに・・・・感じちゃうなんて・・・・。まさか・・・この水・・・っ?)
 そう、茜の体に放たれているのは、ただの水ではない。彼女が察した通り、強力な媚薬である。それが皮膚から吸収され、ただでさえ感度の良い身体をもつ少女の性感を、飛躍的に高めさせているのだ。
 伸びやかな美しい肢体が、官能に犯され始める。水流が身体を打つたびに、我知らず悦楽の悲鳴が漏れてしまいそうになる。
「はひゃんっ! い、イイッ」
 鋭い水流に尖った双球の頂点を刺激され、思わず漏れた嬌声を、慌てて呑み込む。
「やっ! い、いいワケないっ! ・・・・んきゅうぅっ?」
 突然、三本の水撃が胸の突起と股間の中心へ同時に突き刺さる。最も敏感な急所からほとばしる凄まじい快感に、茜は白目を剥いて悶絶する。
「ひぎぃぃいいッ! そ、そんなッ・・・・やめッ・・・・・はうゥぅうううううううううっっ!
 無数の水撃が、全身の急所を次々に撃ち抜き、少女の神経は瞬間的に沸騰した。理性が弾け飛び、はしたない言葉が全ての衝動を圧して口をつく。
「そ、そこぉおおおっ! すっ、スゴひ! 気持ちいいッ! 気ぼちいヒいぃいぃぃいっ!」
 自ら快感を認めてしまった時、かろうじて保たれていた理性の糸が、プツリと切れた。
 茜は天井の取っ手から手を離し、床へと落下する。その途端、再び床一面に生えた繊毛が、淫らに蠢きだした。
 ザワザワザワザワッ
「あっきゃあああああぁああぁぁああああっ!」
 絶叫が上がる。
 先ほどは足の裏だけだったが、今度は床に横たわっているため、全身が繊毛に密着している。カラクリ仕掛けの絨毯は、毛先を細かく震わせて、茜の肢体へ襲いかかった。
「うぁぁああああっ! だっ、ダメダメダメダべぇええええっ! 気持ちいいっ! きぼちイイぃいいッ! きぼぢッ、よすぎるぅうううううっっ!」
 催淫剤に犯され、全身が性感帯と化した茜は、床中を転げ回って、この激しすぎる愛撫の拷問から逃れようとしたが、床一面がすべて繊毛で覆われているこの部屋で、逃れる場所などあるはずもない。
 唯一、逃れる場所があるとすれば天井だが、今の茜には跳ぶどころか、まともに立ち上がることさえできない。
「お、お願ひぃいいっ! ゆ、許ひてッ! 許ひてぇえぇっ!」
 茜は、舌足らずな口調で、言葉を理解するはずもない絨毯に向かって懇願する。媚薬がただでさえ敏感な体をさらに鋭敏にし、どこを触られても狂おしいほど感じてしまう。
 そんな状態で、人外の快感を与えるカラクリに全身を弄ばれれば、鍛えられた忍者といえども、まともに思考することなどできる筈もなかった。
「あぁああっ! らメぇええええええっ!」
 ビクビク、ビクン!
 背中が反り返り、全身がケイレンする。
 少女は、舌をつきだし、よだれを垂れ流しつつ、叫声と共に絶頂を迎えた。
「はあああああああっ! 果てるぅ! もぉアカネ、果てちゃうぅうううううう!」
 ビクビクビクッ!

 と、その瞬間。
 ダンッ
「・・・・・茜!」
 静香が、茜の元に走り込んできた。
 彼女は茜と違ってワラジを脱がされていないので、繊毛のくすぐりに抵抗できた。静香は茜を背負い上げ、声を掛ける。
「大丈夫?」
「助けて・・・・くれるの・・・?」
 茜は感激にちょっと涙ぐんだが、世の中そんなに甘くはなかった。
 壁から水鉄砲が放たれた瞬間、静香は茜の体を水流へ向けたのである。
「ひゃっうぅううううんっ?」
 茜は、思わず悲鳴を上げる。
 そう、静香が茜を背負ったのは、別に彼女を助けるためではない。単に水鉄砲の盾にするためにおぶったのだ。
 すぐにやらなかったのは、茜が脱力して抵抗できない状態になるのを待っていたのである。(←非情)
 
「ちょっ・・・ひっ・・・ちょっと・・・ひぁあっ・・・・待ちな・・・ひぅっ・・・さいよっ・・・きゃんっ・・・・し・・・静香ぁあっ・・・ふっきゅぅぅぅぅううううううん!」
 こうして、水流を一身に受け続ける茜を盾にして、静香はほとんど媚薬を浴びることなく、この部屋を後にした。
       *
 さて、それからしばらくの後。
 場所はカラクリ城三階前。階段の踊り場付近。
 茜は、体中を媚薬に犯され、目を固く閉じて座り込んでいた。時折、「ハア・・・ハア・・・」という吐息が漏れる。
 全身の淫らな疼きに耐えるので精一杯なのだろう。静香に文句を言う気力もないようだった。
 一方、静香は、いつも通りの冷静な表情で、部屋の扉を開けると、中を覗き込んだ。
 今までの部屋に比べると、余り広くない。それより気になるのは、今までと違って中に何もない、ということだ。
 普通の部屋に見えるだけに、むしろ危険な感じがする。
「・・・・・・・・・・・・・・」
 静香は少し考え込んだ後、隣に座っている茜をかかえ起こした。
「・・・・・・お願い、茜」
 そのまま、ほとんど躊躇なく部屋の中に突き飛ばす。
「ちょっと部屋の様子を見てきて」
 ドン!
「って、イヤぁあああああっ!」
 茜は泣き喚き、あわてて部屋の外に出ようと体の向きを変えた。が、踏み出した足の下で、床板の一部が、ガクン、と下がった。
 どうやら、床に仕掛けられたカラクリのスイッチを押してしまったらしい。
「ヤバいっ、これ絶対ヤバいっ!」
 叫んだ茜が逃げ出すより早く、部屋の左右の壁から、拘束具の付いたカラクリ仕掛けの腕が飛び出して来た。
 四本の腕は少女の手足を拘束し、宙に吊り上げる。
「いやぁああああっ!」
 茜は悲鳴を上げて抵抗するが、拘束具はガッチリと四肢を挟み込んでビクともしない。
 さらにカラクリ仕掛けの腕は、少女の体を操り、恥ずかしい開脚のポーズをとらせた。惚けていた精神に羞恥心が甦り、思わず叫声を放ってしまう。
「だっ、ダメぇーっ! こんなの・・・こんな格好イヤぁあああああっ!」
 しかしカラクリたちは、容赦することなく次の機能を発動させる。床板の一部が開き、中から、奇妙な機械がせり上がってくる。
 一見すると、小型の水車のように見えるが、その周囲には、いくつもの刷毛が取り付けられている。いわゆる「ハケ水車」という責め具だ。
 これを開脚した女性の股間に当て、車を回すことで、取り付けられた刷毛が次々に局部を擦り上げるという仕掛けである。
「あ・・・・ああ・・・だ、ダメ・・・やめて・・・・」
 何をされるか気づいた少女は、細い哀願の声を上げる。薬で敏感になった体に、そんな責めを加えられれば、どんなことになるのか想像が付かない。しかし、文字通り心ないカラクリが、手心など加えるはずもなかった。
 ブウゥウウウウン
 股間に押しつけられた刷毛が、不気味な駆動音を立てて回転を始める。敏感な淫核から全身へほとばしる凄まじい衝撃に、茜は叫声を張り上げ、全身を震わせて悶絶した。
「あっきゃあぁぁぁぁあああっっっ?」



 回転する毛先が次々に秘唇へ襲いかかり、神経がヤスリで擦り立てられるかのような喜悦を送り込んでくる。
「ダメぇぇえッ! これダメぇぇぇええっ! ・・・・・ダメなのぉおおおっ!」
 唯一自由になる首を振り回し、快感を拒否するが、強制的に送り込まれる悦楽の波が、理性を攫い、翻弄する。
 乳輪は快感のためにプックリと盛り上がり、乳首は痛いほどに屹立している。蜜壷からは愛液が溢れ出し、ハケ水車が正に水車のごとく、しずくを飛ばす。
「ああああっ、ず、ズルいよぉおおっ! こ、こんなぁああっ! ビンカンになってるのにぃいいいっ! そんな、そんなぁぁぁあ・・・そっ、ソコばっかり責めるなんてぇぇぇええええええっっ!」
 しかし涙混じりの抗議は、機械に何の効果も及ぼさなかった。水車は無情に回転を続け、少女を確実に頂点へと追い立て続ける。
「ふあっ、ふああっ・・・・ダメぇ・・・耐えられない・・・・耐えられへないよほぉお・・・・・こんな・・・こんなのぉ・・・すごいぃ・・・気持ちいい・・・もぉ、腰が抜けちゃうぅ・・抜けひゃうからぁ・・・・」
 呂律が回らない。自分が何を言っているのかすらわからない。女忍者は、機械が与え続ける正確無比な攻撃に、ついに屈した。
「あああああっ、ダメだめダメらメッ! らメなのぉおおおおおおおッ!」
 ビクビクビクッ!
 ポニーテールが跳ね上がり、爪先がたわめられる。秘貝からほとばしった潮が辺りに飛び散り、くノ一の少女は喜悦の高みへと達した。だがしかし、それはまだ、本当の頂点の入り口にしかすぎなかった。
「はヒイッ?」
 機械仕掛けの責め具は、いまだ回転を止めず、それどころか少しずつ回転の速度を上げ始める。茜は驚愕し、子供のように泣きじゃくった。
「ひやぁああっ! 何でぇっ? 果ててるっ、果ててるのにぃいいいいっ! っひゃぁああああああんっ! 何でまだ続けるのぉおおおおおおおっ?」
 ハケ水車は、昇り詰めたばかりで過剰なほど敏感になっている美少女の秘貝を、さらに激しく擦り立て始める。
 茜は白目をむき、よだれと涙を垂れ流しながら、連続絶頂に突入する。
「ふわぁああああっ、果てるっ、また果てるぅうううううっ!」
 ビクビクビクッ
 回転する刷毛の圧力で肉芽のサヤが強制的に剥かれる。尖りきり、顔を出した真珠を、刷毛の毛先が次々と刺激する。神経が壊れるような衝撃に、茜は再び絶頂に送り込まれた。
「イヤぁああああっ、溶けるぅうううッ! 溶けちゃふぅウウウウウウウッ!」
 プッシャアーッ!
 限度を超えた快感に体中の力が抜け、小水を漏らしてしまう。
「らメぇえええっ! 見ないでぇええええっ!」
 気が狂いそうな羞恥に首を振り回す女忍者に、さらなる陵辱が襲いかかる。
 天井から、機械仕掛けの腕が何本も飛び出し、少女の肢体をなぶり始めたのだ。
「いひゃぁあああっ? これ何っ? コレなにいぃいいいいっ? 」
 機械の手が乳房を揉み回し、カラクリの指が乳首を摘み立てる。抗う間もなく背中をくすぐり、内股を愛撫する。
 媚薬で神経を狂わされた上、秘貝を嬲られ、連続絶頂に陥っているというのに、さらに全身を巧みな技巧で弄ばれては、正気など保てるはずもなかった。
 くノ一の少女は、身も世もなく叫び、悶え狂った。
「らっ、らめぇっ、イッちゃう、イッちゃうのぉおおおっ!」
 ビクビクッ!
「ちっ、乳首やめてっ! 摘まないでっ、つままらいれぇええっ! そこっ、そんな風に、されるとぉっ、すぐイッちゃう、すぐ果てちゃうからぁぁあああっ!
 ビクン、ビクンッ!
「はぅうううっ、おっぱいダメッ! お尻もらメっ! アソコもっ、アソコぉおおおおおっ、らメぇええええええええっ!」
 ビクビクッ、ビクンッ!
 体中がケイレンし、脳裏が白く灼け付く。全身の神経がズタズタになり、体中がバラバラに砕けそうな陶酔感。恐ろしいほどの愉悦と快美感とが、激しく、熱く全身を包み込む。
 最後の絶頂が、閃光のごとく目の前に迫り。
 そして爆発した。
「ひっぎゃあぁぁぁああああああああああああっっっ!! イッちゃう! イッぢゃうぅぅぅうううううううううっっっっ!!!」
 ビクンッ! ビクビクビクビクビクッ!!
 プッシャアァアーーーーーーーッ
 くノ一は、かつて経験したことのない人外の異形がもたらす絶頂に攫われ、秘唇から愛液とも小水ともつかぬモノを吹き上げながら、とてつもない衝撃を伴って気を失った。
       *
 ・・・・・・・と。
 そこまで確認したところで、静香はようやく部屋へ足を踏み入れた。
 カラクリを刺激しないよう、慎重に歩を進める。ゆっくりとハケ水車の横を通り抜け、部屋の出口まで辿り着いた。
 出口の扉に手を掛けたところで、後ろを振り返る。
 カラクリに捕らわれたままの茜を助けるべきかどうか、悩んだのだ。
 次の階が最上階であることを考えると、もはや茜は必要ない。城主との約束では、最上階にたどり着いた時点で無罪放免となる取り決めのため、実質的には三階が最後の罠であるはずだった。
 下手に茜を助けに戻り、自分まで罠にかかったら、それで終わりである。冷静に考えれば、茜は見捨て、このまま最上階へ行くべきだった。
 しかし、長年一緒に仕事をしてきた相方を、黙って見捨てることなどできるだろうか?
「・・・・ま、いいか」
 静香は、けっこうアッサリと長年の相棒を見捨てた。(←ホントに非情)
 出口を開き、最上階へ上がる階段に足をかける。
 と、その途端、階段の床板が「バクン」と開いた。
 落とし穴だ、と気づいたときは遅かった。静香は、そのまま闇の中へ堕ちていった。

 そう、今まで巧みに罠を避け続けた静香にも、遂にカラクリ城の洗礼を受けるときが・・・・・やって来たのである。