第7話 ハッピー・メリー・クリスマス
 
 その日、キツネ耳の少女、沙羅(さら)は、クリスマスソングの流れる商店街を、買い物カゴを抱えて、少し顔を赤らめながら歩いていた。
「うぅっ、クリスマスか何か知らぬが、皆、イチャイチャとべたつきおって・・・・」
 ブツブツと小声でつぶやく。どうやら、あちこちで目に付くカップルの様子が気になるらしい。
「・・・べ、別に、うらやましくないぞ。・・・・・わらわは彼氏など欲しくないし、まして洋平のバカと、う・・・腕を絡めて歩くなど・・・・」
 洋平とは、同居人の大学生、篠田 洋平(しのだ ようへい)のことだ。
 およそ恋愛には向かない体質の男で、どんな状況にあってもロマンティックな雰囲気など絶対に期待してはいけない種類の人間だ。(←断言)
「ふぅ・・・」
 沙羅はため息を吐き、何気なく視線を前へ向けた。そして次の瞬間、目に飛び込んできた光景に絶句した。
「・・・・・っ?」



 洋平が、見たことのない少女と肩を並べて歩いていたのだ。
 褐色の肌に、完璧な美貌。スラリとした肢体を飾り気のないハーフコートで包んだ、清楚な雰囲気の美しい少女だった。しかし服の上からでも隠しきれない胸のふくらみは、少なく見積もってもGカップはある。
「おや、沙羅じゃないか」
 洋平の方も沙羅に気づいたらしく、そう話しかけてきた。沙羅は、眉をつり上げて怒声を上げる。
「おや、ではないわ! わ、わらわが夕飯の買い物をしているというのに、なぜ貴様はこんなところでナンパなどしているのだっ?」
「えええっ? ご、誤解ですよっ」
 そう言って慌てたように一歩前へ出たのは、褐色の肌の少女だった。沙羅は、少女の胸の大きさに少しひるむ。
「あうぅ・・・っ、デ、デカい・・・っ?」
「あの、えと、私はただ、この方にですね・・・・」
 少女は、必死で弁明しようとするが、動揺しているのか言葉が上手く出てこない様子だった。しかも動くたびに胸元で豊かな双球が揺れるため、それがまた沙羅の怒りをあおってしまう。
「う・・・うぅ・・・・・」
 沙羅の目に、じわり、と涙が浮かんだ。彼女は敗北感に打ちのめされ、泣きながらその場を走り去った。
「うわぁあああんっ、洋平の巨乳バカ−−ーーーっ! 浮気者ぉーーーーーっっ!
「あああ、そんなコトを大声で・・・」
 褐色の肌の少女は、頬を赤らめ、困ったような視線を洋平に向けた。
「ど、どうしましょう? 私は、ただ駅までの道案内をしてもらっていただけなのに、何かスゴい勘違いをされてしまったみたいで・・・」
「まー、あのコはいつも何か勘違いをしているからなあ」
 はっはっは、と洋平はのんきに笑った。少女の方は、心配そうな表情で訊ねる。
「いいんですか?」
「いいんですよ。いつものコトで」
「でも・・・あの、差し出がましいようですが、プレゼントなど買って行かれた方が良いのではないでしょうか? 今夜はイブですし」
 少女の提案に、洋平はうなづく。
「ああ。なるほど。しかし、女の子へのプレゼントと言っても・・・・」
「よろしければ、私にも選ぶお手伝いをさせていただきたいのですが」
「む? それは・・・助かります。ええと、失礼。お名前は? 俺は篠田洋平です」
「私は」
 褐色の肌の美少女は微笑した。
「ジーナ、と申します。どうぞよろしく」
       *
 その日の夕方。
 洋平が自宅のアパートへ帰ると、沙羅は押し入れの中に閉じこもっている様子だった。洋平は扉をノックする。
「おーい、沙羅〜」
「・・・・うるさい。巨乳好きの男は、さっさと巨乳女のところへ行くが良い」
 中から沙羅のすねたような声が返ってくる。洋平は、根気よく声を掛け続けた。
「まあ、機嫌を直せ。ケーキを買ってきたぞ。何を怒っているのか良くわからんが」
「別に何も怒ってなどいない。・・・・・お主が誰と付き合おうと、わらわには関係ない話だ」
「付き合う? いや、ジーナさんは、ご主人がいるって話だが・・・・」
「あ・・・・そ、そうなのか?」
 沙羅の声が、少し和らいだ。洋平は、言葉を続ける。
「今夜はクリスマスイブだろ。ほれ。プレゼントを買ってきたぞ」
「う・・・」
 沙羅は、うつむきながら押し入れから出てきた。
「そ、その、あの・・・・」
「さて、仲直りといこうじゃないか」
 洋平はプレゼントを手渡す。沙羅は顔を赤らめてプレゼントを受け取った。
       *
 洋平の買ってきたプレゼントは、アメジストの小さなペンダントだった。沙羅は相当気に入ったらしく、上機嫌でペンダントを首に掛けながらこんなコトを言った。
「では、わらわからも、何かプレゼントをしよう。今夜は何でも一つだけ、洋平の言うことを聞こうではないか♪」
「むむ、本当か?」
 洋平は瞳を光らせた。沙羅は少し頬を引き吊らせつつも、きっぱりとうなづく。
「わらわに二言はない・・・・・ひ、一つだけだぞ」
「わかった。じゃ、夕食を作ってくれ」
 洋平の言葉に、沙羅は拍子抜けしたような表情を浮かべた。
「なんだ。そんなコトは、言われなくても今すぐ・・・・」
「裸エプロンで」
「・・・・・・・え?」
 沙羅の身体が硬直した。
       *
「ううぅっ、み、見るなっ! もうっ、怒るぞっ!」
 しばらくして。沙羅は、約束通り全裸にエプロンだけを着けた姿で、台所に立っていた。
 言うまでもなく、背中と尻が丸見えという扇情的な眺めだ。居間の方から洋平が向ける無遠慮な視線を背中に受けて、我知らず頬が紅くなる。
 一方、洋平は、目の前で揺れる尻を眺めながら、上機嫌な様子で沙羅に声を掛けた。
「まあ、そう恥ずかしがるなよ。夏には水着姿にだってなってたじゃないか」
「こっちの格好の方が絶対に恥ずかしいわいっ!」
 沙羅は怒鳴り声を上げる。洋平は軽く笑って聞き流した。
「はっはっは。まあ気にするな」
「ううっ・・・」
 沙羅は、もたもたと料理を続ける。いつもなら手際良く進める作業も、背中からの視線が気になって集中できないらしい。
 しかし何とか鶏の照り焼きの下ごしらえが終わり、卵スープの準備に取りかかった。これが終われば、あとはサラダを作るだけだ。
 と、その途端。
「ひゃんっ?」
 沙羅の口から、可愛らしい悲鳴が上がった。いつの間にか背後に現れた洋平が、彼女の背中を指先で撫で下ろしたのだ。
 沙羅は驚きと羞恥に頬を赤らめながら、怒りの表情で後ろを振り向いた。
「よ、洋平っ!」
 叫びながら振り返ってみると、洋平は感動に少し涙ぐんでいる様子だった。
「・・・・裸エプロン・・・・。裸エプロンの女の子に背中からイタズラ・・・・・・」
 グッと目頭を押さえ、喜びに打ち震えている。余程やってみたかったらしい。沙羅は一瞬呆気にとられた後、顔を真っ赤にして洋平を怒鳴りつけた。
「そ、そんなコトをやっているヒマがあったら、少しは手伝えっ! もうっ、バカっ!」
「うむ。わかった」
 洋平は素直にうなづくと、食器を用意し始めた。それを確認し、沙羅はまた料理に取りかかる。手早く卵のスープを完成させると、サラダに使う材料を取ろうと冷蔵庫へ向かう。
 しかし、レタスを取り出そうとしゃがみ込んだ途端。
「きゃうぅぅんっ?」
 ビクビクッ、と背筋を震わせ、再び叫声を上げた。洋平が今度は尻を撫で回してきたのだ。
 沙羅は眉をつり上げて後ろを振り返った。
「よ、洋平ッ! いいかげんにしろ!」
「いや、すまん」
 洋平は素直に謝ったが、その後こう言った。
「しかし、そんな格好してたら、触られても文句言えんだろ」
って、この格好させたのは貴様だぁぁあああっ!
 怒鳴りつける沙羅に、洋平はかまわず言葉を続ける。
「ところで、いつもに増して感度が良いように見えるのは、裸エプロンの格好に昂奮してるから?」
「そ、そんなコトは・・・っ」
 沙羅は、洋平から目をそらした。胸がドキドキと高鳴る。
 動揺をごまかすように慌てて調理台へ戻る沙羅に、洋平は再び背後から近寄った。後ろからエプロンの隙間に手を入れ、乳首をキュッとつまむ。
「ふやぁぁんっ?」
 沙羅は背筋を震わせ、またしても切ない嬌声を上げた。羞恥で感度が上がっている時に、不意打ちで弱点を責められては堪らない。電流のような快感が、乳首から全身へ走り抜ける。
 艶やかに色づき屹立する胸の突起を、洋平はさらに容赦なくいたぶり続けた。
「あっ・・・んやぁっ、ダメっ、ダメぇぇえっ!」
 沙羅は、細い首を左右に振って身悶え、拒絶する。しかし、洋平は手を休めず、尖りきった乳首をコリコリとこね回し続ける。
「ふわっ・・・ふわわぁっ・・・・ダメぇっ、そこ、そんなにしたらぁっ、た、立ってられなく・・・っ」
 伸びやかな脚から力が抜け、ヒザがガクガクと震える。
 一方、洋平は親指と中指で乳首をつまみ、先端を人差し指で弄り回し始めた。沙羅の喉から、かすれるような悲鳴が上がる。
「ヒァアぁぁッ! ダメ、らメぇええっ! 先っちょダメっ、先っちょダメなのぉぉおおッ!」
 流し台に身体をあずけたまま悶え泣く沙羅に、苛烈な責めは尚も続いていく。
 例えば、揃えた四本の指で、屹立した乳首の先端を、連続でこすり立てる。
「きゅうぅんッ」
 あるいは、乳首を強くつねり上げた後、痛みで感度を増した突起へ、羽毛のように繊細な愛撫を与える。
「ふぁぁああっ! ・・・・も・・・もぉ・・・・もぉお・・・・・・」
 そして、淫靡に息づく乳頭を、人差し指の爪が強く弾き上げた瞬間。
 少女は一瞬で絶頂へ達した。
「ふっわぁぁぁああああんんんっっ!」
 ビクビクビクッ!
 背筋が仰け反り、ヒザから力が抜ける。乳首だけで果ててしまった屈辱と、それを上回る愉悦に、妖狐の少女は涙をこぼしながら、その場に崩れ落ちた。
       *
「ふあっ、や、やめ・・・っ! い、今イッたばかりで・・・ふわぁああんッ!
 洋平は、沙羅を休ませることなく、攻撃を加え続けた。達したばかりで敏感になっている身体を弄ばれながら、沙羅は必死で快楽に抗う。裸エプロン姿で、しかも台所でこれ以上イカされるなど、彼女のプライドが許さなかった。
 だが、少女をいたぶる魔手は、ますます巧妙にその技巧を積み重ねていく。
 乳首に続いて、今度は乳房全体が揉みしだかれ出した。まるで性感神経そのものをこね回されているような激感に、沙羅は床へ座り込んだまま、よがり泣きだけを繰り返していく。玉のように光る汗が、乳房を、尻を、脇腹を流れ落ちる。
「ああっ、ひぅぅっ、も、もう、胸、揉むなぁっ! あ、ひゃうんっ? そ、そこダメ、ダメだってばぁあああッ」
 洋平の指先は、続いて少女のわきの下へ差し込まれた。過敏になっている性感帯をくすぐられる衝撃に、しなやかな肢体が跳ね上がる。
「ふゃんっ! ふやぁぁあっ! や、やめ、やめへぇぇ・・・・っ」
 ビクビクンッ!
 全身を駆け抜ける喜悦に押し流されそうになりながら、沙羅は歯を食いしばって耐える。何とか陵辱から逃れようと、四つんばいのまま腕に力を込め、前方へ進む。
 だが、キツネ耳に息を吹きかけられた途端、背筋にゾクゾクッ、と凄まじい快感が走り、腕から力が抜けて、崩れるようにその場へ倒れ伏してしまった。耳は、彼女の最も弱い性感帯の一つなのだ。
「あ・・・ああ・・・や、やめ・・・もぅ・・・・」
 目に涙をためながら、必死で金色の髪を振り乱す沙羅へ、しかし洋平は容赦せず、エプロンの中へ手を差し込む。そして、ついにその秘められた肉唇、朱色の花弁へ指を這わせ始めた。
「ひィッ?」
 秘貝へ、繊細な指技が襲いかかる。しとどに濡れる花弁をつまみ、あるいは捏ね、撫で回し、時に強く突く。
「ひゃうぅぅうっ! くっひぃぃん! っきゅあぁぁんッ!」
 膣内が収縮し、愛液が秘貝からあふれ出す。次々と、そして断続的に襲いかかってくる快感の波に身悶えながら、沙羅は最後の力を振り絞って、肉悦に流されそうになる理性をかろうじてつなぎ止める。
「きゃうぅっ、はっ、ヒぁあッ! や、やめっ・・・やめぇぇぇ・・・ッ」
 だが、立て続けに襲いかかる性技に翻弄され、手足から抵抗の意志が失われていく。
「もう・・・・・・・もう・・・・・ダメ・・・ホントに・・・・ダメぇ・・・・・・またぁ・・・またイッちゃ・・・・・・っ」
 そして、ついに力尽き、少女は、快楽に敗北を認め、屈服の言葉を口にしようとした。が、その瞬間。
 唐突に、愛撫が止んだ。
「えぅぅ・・・・っ?」
 沙羅は、わずかな安堵と、それを上回る喪失感に襲われ、情けない表情で洋平を見上げた。洋平は、意地悪げに目を細め、彼女を見つめ返した。
(・・・・・・!)
 その時、沙羅は洋平の目的を悟った。洋平は、彼女に『おねだり』をさせようとしているのだ。そう気づいた瞬間、屈服しかけていた心が再び意志の力を取り戻した。怒りに眉を吊り上げ、洋平を睨み付ける。
(ぜ、絶対に、屈服などせぬぞッ、お、覚えておれ・・・・・・・・!)
 彼女は、震え出そうとするヒザに必死で力を込め、床から立ち上がった。洋平に背中を向け、何事もなかったかのように料理の続きへ戻ろうとする。
 だが、しかし。
「ふッぁああああっっ?」
 ビクビクビクッ!
 沙羅は、背を仰け反らせて絶叫した。洋平が、沙羅のシッポを軽く撫で下ろしたのだ。
 彼女のシッポは、耳や乳首と並んで、最も感じやすい急所の一つである。ここを撫でられるだけで、彼女の身体は容易く理性を失ってしまう。
 妖狐の少女は両手で尻を隠し、細い足を震わせながら、泣きそうな目を洋平に向けた。
「だ、ダメぇ・・・そこは・・・そこだけは・・・・さ、さわらな・・・・」
「ああ。すまんすまん」
 洋平は、そう言いながらも全く反省せず、再び少女の震えるシッポを撫で上げた。沙羅は、腰から背筋へ駆け上がる喜悦の衝撃に、甲高い絶叫を放つ。
「んニャあぁぁあああああああッ!」
 脚から力が抜け、流し台へくずおれる。が、なおもシッポは洋平の指技に責められ続け、しごかれ、撫で回され続けた。少女の白い喉から、哀訴の悲鳴が漏れる。
「ひぅっ、ひぁあっ、ダメ、ダメぇぇ・・・ッ! し、シッポは・・・弱いのぉ・・・・・・っ! きゃうぅっ! ほ、ホントに弱いからぁ・・・」
 沙羅は体中をヒクヒクと震わせる。快感に溶けかけた彼女に、しかし、洋平は次の責めを加えなかった。
「あ・・・えぁぁ・・・?」
 沙羅は、不満そうな目を洋平に向けた。蜜壷からは愛液がしとどにあふれ、床を濡らし続けている。
 一瞬だけ持ち直した彼女の理性は、急所への執拗な愛撫に再び限界まで磨り減り、決壊しようとしていた。
 だが洋平は、動こうとしない。そう、彼女の『おねだり』を待っているのだ。
 二人の視線が交錯した。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
 しばらくの沈黙の後、洋平が口を開く。
「どーする?」
「う・・・・うぅ・・・お願い・・・だから、もう・・・・」
 沙羅は、ついに身体の疼きに屈し、哀訴の言葉を口にした。
「沙羅の・・・身体を・・・・どうにかして・・・ください」
「ああ。わかった」
 洋平は、意地の悪い笑みを浮かべた。
       *
 すでに立っていられないほど感じている沙羅は、流し台にもたれ掛かりながら、バックの体勢で挿入を受け入れた。
 熱い剛棒が蜜壷へ入り込む感触に、少女の口から甘い嬌声が放たれる。
「ふッきゃぁぁあああんんっ! これスゴッ・・・・スゴいぃいいいいいいッ!」
 ビクビクビクッ!



 最初の挿入だけで達してしまった少女の敏感な肉体に、洋平の指技が襲いかかる。
 後ろから胸を揉みしだきつつ、指先で乳輪をくすぐり、あるいは乳首をつまんでしごき立て、または乳頭を弾き、もてあそぶ。肉壷からは愛液が止めどもなくあふれ、滝のような汗が、背を、腕を、脚を伝う。
 幾重にも織り込まれた複雑な快楽と喜悦に、伸びやかな肢体は翻弄され続ける。
「やぁっ、ダメッ、ダメぇ、らメぇぇええええ! オッパイぃ、オッパイばっかりイジメたらぁああっ、ちっ、チカラ抜けてぇぇぇえッ! ダッ、ダメになっひゃうのぉぉぉおおおおお!」
 ビクンッ! ビクンッ!
 沙羅は、全身を引き吊らせ、悶え泣く。しかし容赦せず洋平は、彼女の首筋に舌を這わせ始めた。妖狐の少女は脳幹を駆け抜ける喜悦の波に、目を見開いて絶叫した。
「ヒッきゃアァぁあああああああああああッッ?」
 ビクビクビクッ!
 さらに間髪入れず、首筋から背中、脇腹へと、舌が次々と少女の性感帯を暴き立てる。弱点の乳首を執拗に責められながら体中の敏感な部分をなめ回されて、沙羅は狂乱することしかできない。
「あヒッ、あヒィッ、ヒャッぐぅぅうううんんんッ! ぎ、気持ちいいッ、ぎぼぢいヒッ、気持ち、良すぎるのォォぉおおおおお! もぉヤメてッ、やべでッ! 死んじゃうッ、ひんじゃふからァぁあああッ・・・・・はヒッ? ナニっ? 今度はナニぃいいいいいッ?」
 驚愕の声が上がる。
 洋平が、腰の回転を加えつつ、本格的な抽挿を開始したのだ。荒々しく肉壁をえぐり、正確に膣奥を突く。Gスポットが何度も刺激され、電撃のような喜悦がほとばしる。背が仰け反り、足の指がたわむ。汗が乳房を伝って流れ、先端の突起を刺激する。
 高速で蜜壷を掻き回される激感に沙羅は全身を反応させながら、再び絶頂へと追い込まれていく。
「あがッ・・・・ひぐっ・・・・ひぅうう・・・・・・ッ!」
 あえぐように口を開け、舌を突き出して唇の端からヨダレを垂れ流す。
 限界まで追い詰められた少女に、そして無慈悲な最後の一撃は振り下ろされた。耳に、舌が差し込まれたのだ。最も敏感な急所の一つを唐突に責められ、妖狐の少女は、一瞬で絶頂の波に打ち上げられた。
「んっきゃあぁああああああああッ! ダメダメダメダメぇぇえええッ、耳ダメッ、耳弱いのッ、イッちゃうッ、イッちゃうッ、沙羅、もぉイッぢゃうからぁァぁあああああああああああッ!」
 ビクビクビクッ!
 プッシャアァァーーッ!
 はしたない嬌声を放ち、愛液を吹き上げながら頂点へと達した少女に、しかし一片の慈悲も与えず、洋平はさらなる陵辱を開始する。
 指を太腿に這わせ、脇腹をくすぐり、尻を撫で回す。耳へ息を吹きかけつつ、敏感な肉芽をこね上げる。次々に襲いかかる性感帯への刺激に、彼女の乳首は感度を増して痛いほどに屹立し、汗は全身から滝のように流れ落ちる。
 そして弱点のシッポに手が掛けられた瞬間、沙羅は、蒼い瞳を恐怖に見開き、あられもない悲鳴を上げた。
イッ、イヤぁァぁあああああああああああッ! ヤメてヤメてヤメてェぇぇえええッ! もぉイッてるッ、イッちゃってるのッ! イキすぎてダメになっちゃってるからぁぁぁああああああああッッ!」
 気が狂うほど敏感になっている肉体を執拗になぶられ続け、もはや正常な思考など保ちようもない。強制的に与えられ続ける快感は、精神が耐えられる限界をすでに超えていた。
 洋平は、しかしそんな事には頓着しない様子で、少女の片足を持ち上げ、側位へと移行する。肉壁の突かれる角度が変わり、沙羅は新しい刺激に随喜の悲鳴を上げる。
んっきゃアぁあああああああ! イイッ、これスゴいっ、これスゴひのぉぉおおおおおおおッ!」
 さらに洋平は、持ち上げた足の裏をくすぐり始める。そしてエプロンに手を差し込んでヘソや脇の下を撫で回し、あるいは脇腹や太ももを責め立て出した。
 あらゆる場所が性感帯と化した沙羅の体は、全ての愛撫に過剰反応した。のた打ちながら泣き喚き、身悶える。背筋を弓のように反り返らせ、足の指を引き吊らせる。沙羅はもはや、舌を突き出し、目を見開いて、あられもない悲鳴を上げ続けることしかできない。
「ひぎィぃいいッ! うやぁッ、足ダメぇッ、足の裏ぁ、くすぐったいのぉ、くすぐったいからぁああッ! やッ、おヘソ、おへそもダメぇっ、ワキの下もぉッ、全部らメっ、らメらメらメっ、気持ちいいのッ、ぎぼぢよすぎちゃうからァァぁあああああああああッ!
 もはや自分が何を言っているのかすらわからない。半狂乱となった少女は、全身を跳ね上げながら、極大の絶頂へと駆け上っていく。
「うやぁあああッ、ヘンになっちゃうっ! ヘンになっちゃうよぉおおおッ! もぉッ、ダメなの! 狂っちゃうッ、気がヘンになっちゃふのぉぉぉおおおおおおおおッ!
 蜜壷をグチャグチャと突かれながら、乳首がコリコリと転がされる。痛いほどに屹立した突起の先端から、電撃のような快感がほとばしる。
「ヒッぎゃアぁぁあああッ! もぉダメっ、おっぱいイジメないでッ、オッパイの先っちょヤメてっ、ひゃうぅッ、先っちょはダメぇぇぇえええええええッ!
 泣き喚く少女に、無慈悲な一撃が加えられる。最も敏感な真珠がサヤを剥かれ、指先でつままれ、こね回され始めたのだ。
「ヒッぎィぃいいいいッッ?」
 性感神経を直接掻き乱されるような衝撃に、沙羅は白目を剥き、口の端から泡を吹いて悶絶した。身体中がピクピクと震え、喉からはかすれた声だけが漏れる。
「あ・・・あがァ・・・・し・・・死ぬ・・・ひぬ・・・死んじゃ・・・・・」
 そして蒼い瞳から涙をこぼし、肉壁を掻き乱されながら、限界を超えた最後の絶頂へ打ち上げられようとする少女に、最後の鉄槌は振り下ろされた。
 洋平の五指が、沙羅の急所、キツネの尾を、グッと握りしめたのだ。
 刹那。

「んッきゃあぁぁぁああああああああああああああああああああああああああっ! イクイクイグイグイグッ! サラ、イグッ! サラ、イッグゥぅぅぅぅぅううううぅぅぅぅうううううううううううううううううううううううううッッ!!」

 ビクビクビクビクビクビクッッ!! 

 プッシャアァァア−−−−−−−−−ッ!!
 
 全身がバラバラになりそうな凄まじい衝撃の中で、沙羅は壮絶な絶頂に打ち上げられた。目の前に白い閃光が輝き、全てが歓喜の中へと溶け込む。
 愛液と小水を撒き散らしながら、妖狐の少女は愉悦と恥辱に包まれて、そのまま意識を失った。
       *
 その日の深夜。
 真夜中に目を覚ました沙羅は、ゴソゴソと押し入れの寝床から抜け出した。
 わずかに開いたカーテンから差し込む月明かりの下で、手に持ったアメジストのペンダントを首に巻き、鏡に映る姿を見て嬉しそうに微笑む。
 ふと視線を落とすと、洋平が平和そうな顔で眠っていた。
 沙羅は、洋平の寝顔を見ながらボンヤリと考える。
 洋平がクリスマス・プレゼントなどという気の利いたコトを思いつくはずがないから、たぶんこれは、あのジーナとかいう女の入れ知恵なのだろう。そう考えると少し気に入らない気もするが、やはり今夜は洋平に感謝を(少しくらいは)するべきなのかもしれない。
「・・・・・・」
 彼女は周囲をキョロキョロと見回し、誰もいないことを確認すると、洋平の側に座り込んだ。そして。
「メリー・クリスマス」
 優しい声でつぶやき、眠った彼の頬にキスをした。
 
「キツネ日和 第七話 とりあえず・完」